[戻る]

編集・削除・レス取消

パスワードを入力し、機能を選択して実行ボタンをクリックしてください。

揺れ 2017年 1月23日(月) 00:23
基本的に守って欲しいことの1つにリズムがある。シンコペーションは拍とズレたタイミングで発音されることで躍動感や緊張感を生むわけだが、基本の拍がそれにつられて動くと効果は出ない。昨日書いた繋留は同じ範疇だ。スクリャービンに頻出である、ポリリズムやクロスフレーズも同様だ。跳躍は、場合によるが、短い時間で大きな跳躍をする場合、それを拍の中に入れることで緊張感が生まれる。間をあければ緊張感はなくなる。

だから、拍子を保つことというのは、緊張の揺れを生み出すために必要なのであって、ショパンも同じ事を言っている。ドビュッシーやラヴェルの作品はショパンの作品よりも更にリズムは複雑であるが、拍を保っていなければその効果は出ない。ルバートというのは拍子が保たれた状態で行う、揺れをより強調する行為だ。そうしなければ、緊張の揺れは生まれない。
和声や調も揺れの表現に用いているのだから、和音であればIが、調であれば主調がリズムでいう拍に相当し、それを基準に他の和音、調があって揺れが起こる。だから、何が基準でどれが最も揺れているものなのかが認識できないと緊張の揺れは効果的に表現できない。
そもそも、音叉の音を聞いていても我々はそれを音楽と認識しないが、それは、音楽とは音の様々な揺れの姿態であるのに、それがないからだ。
同時に鳴る音の個数や音域の変化も揺れを生み出すが、これも、それを意識していないと効果的な表現には結びつかない。
これを生み出すのに音量の変化を用いることが効果的であるが、これはテンポで言えばルバートすることと準同型だろう。
「揺れ」とは、基準からの変位であり、様々な構成要素でそれが存在し、作曲家はこれを自由に組み合わせて表現する。演奏家はそれを理解して表現しなければいけない。指導者は生徒に対してそういったことが表現できるように適切に指導しなければいけない。

Password:

1 2 3 4 5 6 7 8 9