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金子一朗 2012/ 4月 5日(木) 01:26
 もともと、フィグールは、人間が直感的に持っている、または感じる音楽的な情緒を表す。たとえば、ある長調のメロディーで、音階的な音型が上行すれば、とても気分が高揚する。例を挙げるとキリがないが、今すぐに思いつくものであれば、たとえば、バッハの平均律クラヴィア曲集で言えば、2巻のD-durのプレリュードのテーマであったり、ベートーヴェンであれば、3番のソナタC-durの4楽章のテーマや13番のソナタEs-durの1楽章の中間部のC-durの部分のモチーフである。これらは、いずれも、Anabasisというフィグールである。
 恐ろしいことに、J.S.バッハは、ほとんどの作品において、我々が認識不能なレベルと思えるほど、こういった形で音型や和声の響き、調の選択、楽器の選択の端々に渡って何十、何百と言えるほどのフィグールを縦横無尽に用いることにより、音楽的に極めて高いレベルの膨大な量のカンタータや鍵盤楽器の作品、その他を作曲できた。(続)

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