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現代のピアノという楽器の性能 金子一朗 2012/ 4月 3日(火) 20:06
 現代のピアノの能力や響きをそのまま使うと著しく様式感がずれる場合が見受けられる。バロック時代の作品については、単純にメロディーと伴奏でできている作品(非声部様式)もあるが、それでも、伴奏部分のバスのラインについては、古典派のものより複雑である場合が多く、メロディーと同じだけの意識が必要である。しかも、3つ以上の声部になることは頻繁に起こるため、これらを同時に意識して表現する能力が求められる。特に、和声進行や転調については、我々が親しんでいる比較的新しい時代のものに比べ、調律の関係もあって、用いる和音や転調についてはロマン派中期以降に比べれば単純なため、一層、そのもっている和音のニュアンス、転調のニュアンスの表現は確実に表現しなければいけない。
 こう述べると、即物的な表現に思われる方がいらっしゃるかもしれないが、それを大きく補完する概念がフィグールである。いや、むしろ、フィグールの方が主で、これまで述べてきた即物的な理論が従かもしれない。(続)

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