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指を速く動かせれば何でも弾けるか 金子一朗 2012/ 4月 1日(日) 18:07
 モダンピアノでJ.S.バッハやクープランなどのバロック時代の作品を演奏するには、いくつかのハードルがある。いくつか列挙すると
声部の多さ(3つ以上の異なるメロディーを同時に歌い、なおかつ縦の和音の響きのバランスと変化を表現すること)
当時の様式を正しく理解すること
(装飾音の奏法、ルバート(イネガルなど)、舞曲、アーティキュレーション、記譜法のルール(リズムなど)、修辞法、運指、楽器、音域、音量、音質など)

 易しい作品は、多くの場合、右手が旋律で左手が伴奏という様式(非声部様式)(たまに左右の役割が逆転しても本質的には同じ)であり、その形だけしかなじみがないと、とても困難である。たまに、とても速い速度の作品を流暢に演奏する人が、バッハなどを演奏するとそうでもないことがあるが、それは、こういった様式の無理解と訓練の欠如によるところが大きい。面白いことに、そういうことがわかると、速い速度の作品を聴いても、その人がバロックをうまく演奏できるかどうかが聴かなくてもわかるようになる。それは、そういった欠点がいろいろなところに反映されるからである。もちろん、自分にとってはどちらの様式の作品も、いつまでたっても難しいと感じているのは当然であるが。(続)

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