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おかえり
福岡晃子(チャットモンチー済)初の随筆集



おかえり
福岡晃子・著

ミルブックス・刊
2024年4月16日頃発売
定価(本体1,300円+税)
四六判ハードカバー 192ページ
ISBN978-4-910215-17-4 C0095

装画 今日マチ子



福岡晃子(チャットモンチー済)初の随筆集
「わたしは過去に帰ったのではない。紛れもない未来を歩き始めている」

【綴らずにはいられなかった、熱情溢れる15の物語】
ロックバンド「チャットモンチー」を完結させ、ソロアーティスト「accobin」、イベントスペース「OLUYO」主宰として徳島を拠点に活躍する福岡晃子、待望の初随筆集。バンド結成を決心した人生初ライブ、運命のバンドとの出会い、チャットモンチー最後の武道館、出産を経て徳島の海町へ移住を決断した日、そして新しい命が教えてくれた人生で一番大切なこと。これまでの半生を瑞々しい筆到で、本心を全て曝け出して描いた随筆たちは、さながら私小説のよう。



文章を書くことは、歌詞を書くこととはまた違う世界で、だからこそ今まで見たことのない景色を体験することができました。
わたしはあの時、本当は何を思い、何を感じていたのか。今だから言葉にできたこともありますし、未だに言葉にできないことも正直に綴ってあります。
徳島に移住して、わたしは「わたし」を迎え入れることができました。その軌跡を、この本を通してお伝えできれば幸いです。
−福岡晃子



福岡晃子さんに随筆集の執筆をお願いしたのは2022年の夏。ソロアルバムの制作、初のソロツアー、提供楽曲の制作、そして育児に多忙な中、毎月1作のペースで執筆いただき、2年の歳月をかけて全て書き下ろしのまっさらな初随筆集『おかえり』が完成しました。
人生を変えてくれた恩師。天国と地獄を同時に見た衝撃のライブ体験。運命のバンド・チャットモンチーとの出会い。苦難続きのデビュー前のツアー珍道中。チャットモンチー最後の武道館公演と、完結に至るまでの正直な心の葛藤。コロナ禍と出産を同時期に経験し、徳島の海町へ移住してからの3年間の暮らし。そして愛息が教えてくれた本当に本当に大切なこと。
毎月原稿が届くたび、私は仕事も忘れてすっかり楽しみながら、心を揺さぶれながら熟読しました。時には声を出して笑ったり、彼女の心情に寄り添い思わず涙を流すこともありました。ここまで心を曝け出して書いていいのだろうか? そんなことを考えてしまうほど、自身をひとつも包み隠さず、真摯に随筆と向き合ってくれました。
装画は人気漫画家「今日マチ子」さんに描き下ろしていただき、徳島の海町の豊かな時間を表現した美しい装釘に仕上がりました。
チャットモンチーの「あっこちゃん」の顔しか知らない人、そしてチャットモンチーを全く知らない人にも、脆く弱いけれど、誰よりも強く優しい福岡晃子という人間の今の姿を読んでほしいと、心から願っております。
−ミルブックス 藤原康二



◎福岡晃子(ふくおか・あきこ)
1983年徳島県生まれ。音楽家。イベントスペース「OLUYO」主宰。2002年よりロックバンド「チャットモンチー」のメンバーとして活動。2018年チャットモンチーを完結させ、2020年徳島県に移住。チャットモンチー完結後、ソロアーティストやバンドのプロデュース、作詞作曲を数多く手がける。2023年ソロアーティスト「accobin」として自身初となるソロアルバム『AMIYAMUMA』を発表。




*サンクチュアリ・パブリッシング扱い



ライフという名のレストラン
カルチャーをつくるイタリアンレストラン・LIFE20年の物語


ライフという名のレストラン
相場正一郎

2023年11月1日頃発売 
ミルブックス  定価1,200円+税
ISBN978-4-910215-15-0 C0077 
四六版・180p


「美味しい匂いがするレストランをつくりたい」
カルチャーをつくるイタリアンレストラン・LIFE(ライフ)20年の物語


創業20年後の生存率0.3%と言われる飲食業界。競争激しい東京・代々木で20年もの長き間、個人経営のイタリアンレストランを続けている相場正一郎。イタリア語も一切話せず、 何の頼りもないまま18歳で単身イタリアに渡り料理修行。帰国後28歳で自身がオーナーのイタリアンレストランを立ち上げ、現在5店舗を運営する著者が、これまでの歩みを軽快かつ真摯な筆到で丁寧に綴りました。
決して平坦ではなかった20年の歩み、レストラン運営で大切にしていること、スタッフの力を最大限に引き出す秘訣、LIFE名物メニュー誕生秘話、イタリアの食文化の話など、真摯にイタリアンと向き合ってきた著者だから書くことができたエピソードの数々は、エッセイながらまるで私小説のよう。物語を読み進めるうちに、一緒にイタリアンレストランという大海原を航海している感覚になります。

LIFEの美しい店内や、美味しい香りが漂ってきそうな料理の写真も著者が愛機ライカで長期に渡り撮影。大量の素材から厳選し、写真集のように仕上げました。
簡素ながら一瞬で目を惹く端正な装画は、気鋭のイラストレーター・小林千秋による描き下ろし。繊細で美しい線画でLIFEを表現いただきました。



店を始める時、店名をライフ(LIFE)に決め、看板にこう記した。「SLOW FOOD SLOW LIFE GOOD LIFE」僕のレストランの食事で毎日の生活が豊かになったら嬉しい。暮らしにそっと寄り添うレストランになりたい。そう願いこの言葉を看板に記したがその気持ちは今も変わらない。20年かかったけれどようやく準備が整った。これから美味しい匂いがするレストランを完成させる本番が始まる。僕はまだ旅の途中だ。(本文より一部抜粋)



◎相場正一郎(あいば・しょういちろう)
1975 年栃木県生まれ。1994 年から1999 年にイタリアのトスカーナ地方で料理修行。東京・原宿のイタリアンレストランで店長兼シェフとして勤務した後、2003年東京・代々木公園駅にカジュアルイタリアン「LIFE」を開店。全国で5店舗のレストランを運営しており、カルチャーを作る飲食店としても注目を集めている。主な著書に『30 日のパスタ』『30 日のイタリアン』『山の家のイタリアン』『道具と料理』(ミルブックス)『世界でいちばん居心地のいい店のつくり方』(筑摩書房)『LIFE のかんたんイタリアン』(マイナビ) 等がある。二児の父親であり、週末は家族で栃木県那須町にある山の家で暮らす二拠点生活を送っている。



◎目次より
・はじめに 美味しい匂いがするレストラン 
・イタリア料理修行
空港バス嫌い/精神と時の部屋/料理武者修行/雑誌で出合った理想のレストラン/料理人になれた日/オーナーから学んだ大切なこと/店長になりませんか
・イタリアンレストランを作ろう
僕がオーナーのレストラン/暮らしがある場所を求めて/ふたつの記念日 
・居心地のいい場所作り
街の人たちから認められるために/イベントもやるレストラン/心地よい時間を過ごすための場所 
・残したい味
レバーペースト/レモンミントの生パスタ/野菜のグリル/柚子胡椒のカルボナーラ/トリッパの煮込み/トマトソース/キッシュ風卵焼き/ゴルゴンゾーラピッツァ/ブッラータ/ランチプレート/ライフサラダ/レモンクリームケーキ 
・イタリアンのたのしみ
四季の旬を味わう/フィレンツェは食の都/トマトはイタリアンの名脇役/何度も食べたくなるイタリアン
・スタッフたちの成長
僕の店を理解するスタッフたち/大きな困難と小さな好機/皆の店に変わった/やる気スイッチの在処/地図を持って旅に出よう 
・個人店を続けるために
十年目の第二の店/お客さんのための店作り/人生を共に楽しむ仲間/ストレスに弱いからこそ/怪我の功名/鎌倉物語 
おわりに ライフという名のレストラン 




*サンクチュアリ・パブリッシング扱い

やまぐちめぐみ作品集 新装版
新たな作品を大幅に追加掲載し、増補新装版で待望の復刊


やまぐちめぐみ作品集 新装版 

2023年10月23日頃発売
ミルブックス 
定価 2,000円+税
ISBN978-4-910215-16.7 C0071 
A5・ハードカバー・160p


画学生風な試行錯誤を経て、色彩と形がやさしく調和した温かな作風が確立されていくのだけれど、その絵を観ている自分の心も温かくなっていることに気付くのだ。 
ー奈良美智 

49歳で夭逝した人気画家「やまぐちめぐみ」作品集
新たな作品を大幅に追加掲載し、増補新装版で待望の復刊

49歳で夭逝した絵描き・やまぐちめぐみの作品集が新装版で復刊。
本格的に制作を始めた30代半ばの初期作品から、難病を発症し自由に動かない身体と向き合いながら描いた花、天使、青い目の少女や猫など、観るものを惹きつけて離さない優美な色彩で描かれた後期作品まで、全117点を掲載。
絵を描くこと、文章を綴ること、生きること、全てを最期まで楽しんだ、やまぐちめぐみ生の全記録



2018年に発売された「やまぐちめぐみ作品集」は長らく絶版でしたが、雑誌『暮しの手帖』2022年夏号で「やまぐちめぐみ」が特集されたことで再び注目を集め、復刊希望の電話、メール、手紙を多数いただきました。熱望の声に応え、装い新たにした新装版として部数限定で発売いたします。
オリジナル版から64ページ増し『暮しの手帖』に掲載した文章も追加掲載しながら、定価はそのまま据え置きでお求めやすい設定にしました。たくさんの方の元にやまぐちめぐみさんが遺した素晴らしい作品の数々が届くことを心から願っております。(編集担当 ミルブックス藤原康二)



◎やまぐちめぐみ
1966年大阪府生まれ。30代半ばから制作活動を開始。2000年セツ・モードセミナー入学。病と闘いながら絵描き、物書きに専念し個展、グループ展に参加、多数の作品を遺す。2015年9月49 歳で永眠。2016年制作途中だった作品に絵本作家とりごえまりが加筆して完成した絵本『コトリちゃん』を出版。多くの人にその絵が支持されており、画家やイラストレーターのファンも多い。没後も毎年のように作品展が開催され、毎回大盛況となっている。



*サンクチュアリ・パブリッシング扱い





朝おやつ
甘美な口福に満ちた、芳醇なお菓子文学

朝おやつ
甲斐みのり

2023年10月1日頃発売 
ミルブックス 
定価 1,200円+税
ISBN978-4-910215-14-3 C0077 
四六版・192p


甘美な口福に満ちた、芳醇なお菓子文学
「朝おやつ」として愛食する43の甘味の記憶をめぐる物語


全国を旅して見つけた美味しい甘味の魅力を、優しい筆到で丁寧に描いてきた文筆家・甲斐みのり。
朝おやつとして愛食する甘味たちを、美味しさが溢れ出す美しい写真と共に丁寧に描きました。
朝おやつが運んでくれた大切な人たちとの出会い、そして別れ。甘いだけではない物語の数々は、誰もの心の奥にある甘い記憶を思い出し、懐かしい人や風景が鮮明に呼び起こされます。
甲斐みのりの集大成といえる、お菓子愛に満ちた名随筆集がここに完成!

装画は画家・湯浅景子が「ゼリーのイエ」を美しい切り絵で表現しました。

朝食の後にちょっとつまみたいものもあれば朝食代わりにしっかり食べたいものもある。それらを朝おやつと称して楽しんでいる。今でも調子が出ない朝がある。そんなとき朝おやつがひとつあるだけで一日を快く始められる。朝おやつは幸福な記憶の源であり、お守りであり、自分を奮い立たせてくれるスイッチ。私の暮らしに欠かせない、愛すべき大切なものになった。(「はじめに」より)

◎甲斐みのり(かい・みのり)
文筆家。1976年静岡県生まれ。大阪芸術大学卒業後、数年を京都で過ごし、現在は東京にて活動。旅、散歩、お菓子、手みやげ、クラシックホテルや建築などを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。著書は『たべるたのしみ』『くらすたのしみ』『田辺のたのしみ』(ミルブックス)『日本全国 地元パン』『歩いて、食べる 京都のおいしい名建築さんぽ』(エクスナレッジ)など約50 冊。『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』(エクスナレッジ)はドラマ「名建築で昼食を」(テレビ大阪)の原案に起用された。

◎目次より

街歩きで見つけた宝物 リバティ「うさぎパン」
不得手は得手 赤倉観光ホテル「フルーツケーキ」
浜松の秘蔵っ子 まるたや「あげ潮」
東京らしい洋菓子店 近江屋洋菓子店「フルーツポンチ」
童心に返る佳味 マッターホーン「バウムクーヘン」
漫画の中のアップルパイ マミーズ・アン・スリール「アップルパイ」 
最強の相棒 とらや「小形羊羹」
歓喜が溢れるゼリー 「ゼリーのイエ」
無限の可能性を秘めたお菓子 村岡総本舗「シベリア」
食べることと愛でること 翁堂「犬のルーパー」  パリジェンヌ「ポチ」
愛でる愛おしいお菓子 ハラペコラボ「こうぶつヲカシ」
福島のあの子 会津の雪「ソフトクリーミィヨーグルト」
真の地元パン シロヤ「サニーパン」「サーフィン」
郷土玩具のお菓子 おかしのオクムラ「こけしのあたまんじゅう」
早起きは三文の得 カリーナ「サンドイッチ」
子羊の贈り物 ロミユニ「カトルカール・アニョー」
素朴なアイドル 前田屋製菓「志ら玉」
包装紙はお菓子のステージ衣装 うさぎや「チャット」
尾張名古屋は菓子処 花桔梗「あんトースト最中」
誕生日の記憶 不二家「ペコちゃん焼」
旅情をかき立てる味 尾道ロバ牧場「ロバクッキー」
ふたつのホットケーキミックス 日東富士製粉「ホットケーキハイミックス」マリールゥ「パンケーキミックス」
おばあちゃんの最後の贈り物 池田食品「タマゴボーロ」 
日本一早い朝おやつ 赤福本店「赤福餅」
クッキーとドリフ 長崎レデンプトリスチン修道院「クッキー缶」
古くて新しいレトロなお菓子 ルル メリー「4種のルルガトー」
宮崎の定番 わらべ「チーズ饅頭」
バラ模様の可憐なケーキ 田村町木村屋「バタークリームケーキ」
熱情が生んだ味 大地のおやつ「玄米の五平餅」
カステラには牛乳 越後家多齢堂「カステイラ」
笑顔になる甘味 秋田屋「はちみつDAYS」
愛猫ビドとの日々 稲豊園「招福猫子まんじゅう」
最後に食べたいお菓子 スワ「ミルクヨーカン」 中里「揚最中」
詩情に満ちた甘味 積奏「バターサンド」
世界一ロマンチックなお菓子 長ア堂「クリスタルボンボン」
広島のバターケーキ  合歓「バターケーキ」
いつもの朝おやつ ミスタードーナツ「フレンチクルーラー」
私のトップアイドル しみずや「くまサブレ」
文章がうまく書ける薬 越乃雪本舗大和屋「文のたね」


*サンクチュアリ・パブリッシング扱い




LIFE IS ESPRESSO 新装版
人生はエスプレッソのように苦く甘い


LIFE IS ESPRESSO 新装版
BEAR POND ESPRESSO・著

ミルブックス
2023年5月21日発売
文庫判・192頁
定価 本体 600円+税  
ISBN978-4-910215-13-6
編集・菅付雅信


「人生はエスプレッソのように苦く甘い」
2011年に発表した名著に、書き下ろしエッセイと新たな写真を加え再編集し、文庫新装版で待望の復刊。
下北沢から世界に最高のエスプレッソを届けるベアポンド・エスプレッソ、田中勝幸のエスプレッソ道。
51歳で店を持ちエスプレッソシーンを発展させていく道程を、エスプレッソのように濃厚な筆到で抽出!


ニューヨークのサードウェーヴ・コーヒーが盛り上がっていく過程を体験しエスプレッソに魅了された田中勝幸。20年以上アメリカで暮らし、広告代理店などを経て51歳で自分の店を持った。こんなに回り道をしてバリスタになった人間はいないはずだ。
凡人がもがき苦しみながらも勇気を持って、新しい世界に飛び込んでいく姿は、コーヒーに関心がある人だけでなく、一歩を踏み出したい全ての人の心に響くだろう。
下北沢を拠点に活動するミュージシャン・曽我部恵一、ニューヨークでコーヒーシーンが発展していく過程を共に歩んだ朋友、ギミ!・コーヒーのケヴィン・クッデバックとの対談も掲載。




下北沢のわずか6坪の店には日本のみならず海外から訪れる人がたくさんいる。ベアポンド・エスプレッソは日本ではまだ珍しいエスプレッソを中心にした店。順風満帆のように思われるが僕がこの店を始めるまでは決してそうではなかった。何せ20年以上アメリカで暮らし、広告代理店などを経て51歳で自分の店を持ったのだから。世の中、これほどの回り道をしてバリスタになる人間もそういないはずだ。
エスプレッソに情熱を注ぐ人たちとニューヨークで出会い、コーヒー革命の真っ只中に飛び込んで完全燃焼できるものを見つけた。これは自身でやったことだと言える等身大の世界がそこにはあった。この本は僕の人生を抽出したようなもの。それはきっとエスプレッソのように苦く甘い。(「はじめに」より一部抜粋)




◎BEAR POND ESPRESSO(ベアポンド・エスプレッソ)|田中勝幸(たなか・かつゆき)
1957年東京生まれ。明治大学卒業後、広告代理店勤務を経て渡米。アリゾナ州立大学を卒業後、ニューヨークの広告代理店、フェデックスに勤務。ニューヨークのコーヒーシーンが発展、成熟していく中でエスプレッソへの傾倒を深めていく。18カ月に渡るバリスタトレーニングを受けバリスタ認定証を取得後、フェデックスを退社し20年ぶりに帰国。2009年東京下北沢に、日本ではまだ珍しいエスプレッソスタンド「ベアポンド・エスプレッソ」を開店。従来のエスプレッソの常識と型にははまらない、日本のエスプレッソシーンを牽引する存在として、アメリカの経済誌『フォーブス』、世界中のコーヒーシーンを描いたドキュメント映画『A Film About Coffee』、アメリカのコーヒーカルチャー誌『Drift』など様々な媒体で紹介され、日本のみならず世界中から注目を集める。

*サンクチュアリ・パブリッシング扱い


雑貨と私
楽しみながら本気で続けられること。私にとってそれは雑貨屋だった


雑貨と私
後藤由紀子

ミルブックス
2023年4月25日発売
四六判・192頁
定価 本体1,000円+税  
ISBN978-4-910215-12-9
装画 上田三根子

「楽しみながら本気で続けられるこ。私にとってそれは雑貨屋だった」
沼津の路地裏にある生活雑貨の店 hal(ハル)の店主・後藤由紀子、待望の新作随筆集。雑貨屋を始めて20年、これまでの歩みを振り返り、優しい筆到で丁寧に綴った20の物語

雑誌・オリーブに出会ったことで、少女の世界は一変した。都会に憧れ、東京で暮らし始めた少女はやがて地元に戻り、2人の子供のお母さんになった。そして30代、成り行きのまま始めた雑貨屋。自分のできる歩幅で、真剣に楽しみながら続けてきた店は、気がつけば20年が経っていた。少女の頃から現在に至るまでの歩みを振り返り、優しい筆到で丁寧に綴った20の物語。
互いにまだ何者でもない若者だった頃から親交のあるミュージシャン・松田“チャーべ”岳二さん、共にたった一人で雑貨屋を営む盟友in-kyo店主・長谷川ちえさんとの対談、大好きな20の雑貨の挿話も掲載。
そして装画は、著者が長年憧れ続けるイラストレーター・上田三根子さんによる描き下ろし。

人生において、大きな判断を迫られる場面がいくつもあった。その時も私は自身の心に問いかけて、面白いと感じる方、楽しく続けられる方を選んできた。それは楽な方を選ぶこととは違う。一度その道を選んだら、楽しみながら真剣に取り組む。面白いと思えることだったら、力を出し惜しみすることなく本気になれる。他人が見たら面倒だと思うことでも、まったく苦だとは思わず、つい続けてしまう。それこそが本当に楽しいことなのだろう。私にとってのそれは雑貨屋。雑貨と私の日々は続いていく。(本文より一部抜粋)


◎後藤由紀子(ごとう・ゆきこ)
静岡県沼津市生まれ。東京の雑貨屋で勤務後、2003年に地元の沼津市で器や衣類、書籍を扱う雑貨屋・hal(ハル)を開店。『雑貨と私』を含め、これまでに20冊の書籍を上梓。主な著書に『毎日続くお母さん仕事』(SBクリエイティブ)『後藤由紀子の家族のお弁当帖』(ワニブックス)『家族が居心地のいい暮らし』(あさ出版)『日々のものさし100』(パイインターナショナル)『毎日のこと、こう考えればだいじょうぶ。』(PHP研究所)『会いたい。東京の大切な人 私の愛するお店』(扶桑社)『50歳からのおしゃれを探して』(KADOKAWA)などがある。

◎目次
◉第1章 憧れの場所へ  
東京に行きたい|表参道ライフ|青春の終わりと始まり 
対談 松田“チャーべ”岳二 × 後藤由紀子 
◉第2章 沼津の小さな雑貨屋
ひとつめの夢が叶った|明日があるとは限らない|半年で閉店するかもしれない雑貨屋|沼津だから雑貨屋を始めた|ご縁がすべて|口伝えで広がった 
私の好きな二十の雑貨 
◉第3章 笑顔で暮らすために
夕方前に閉店する雑貨屋|「私なんか」をやめた|流れに身を任せて|作りたいものがあった 
対談 長谷川ちえ × 後藤由紀子 
◉第4章 楽しみながら本気で続けられること
父の盆栽|今すぐ|楽しみながら本気で続けられること 

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コーヒーと随筆 新装版
コーヒーによくあう、すこぶる面白い随筆24編


コーヒーと随筆 新装版
庄野雄治 編

ミルブックス
2022年11月10日発売
文庫版・320頁
定価 本体800円+税 
ISBN978-4-910215-11-2

カバーモデル 安藤裕子
写真 大沼ショージ
挿絵 木下綾乃


近代文学に造詣の深い、『コーヒーの絵本』の著者で徳島の人気焙煎所アアルトコーヒー庄野雄治が、コーヒーを飲みながら読んで欲しい随筆を厳選しました。大好評を博した『コーヒーと小説』の姉妹書、2冊続けて読むと何倍も楽しめる内容です。前作に続きカバー写真には、作品に登場する魅力的な女性の象徴として人気シンガーソングライター・安藤裕子さんを起用。現代に生きる私たちにこそ響く、至極面白く読みやすい随筆24編。長らく品切れしていた人気書が文庫サイズ、新たな4編を加えた増強新装版で復活! コーヒーを飲みながらお楽しみください。


「新しいものは古くなるが、いいものは古くならない。それを証明する随筆集」
人はずっと変わっていない。百年前の人が読んでも、百年後の人が読んでも、同じところで笑って、同じところで泣くんじゃないのかな。
コーヒーと一緒に、偉大な先達たちの真摯な言葉を楽しんでいただけると、望外の喜びだ。

◎掲載作品(掲載順)
「畜犬談」太宰治、「巴里のむす子へ」岡本かの子、「家庭料理の話」北大路魯山人、「隣りの犬」向田邦子、「立春の卵」中谷宇吉郎、「大阪の可能性」織田作之助、「陰翳礼讃」谷崎潤一郎、「人が住んでいる」永井龍男、「変な音」夏目漱石、「赤毛の犬、」阿部知二、「恋と神様」江戸川乱歩、「余が言文一致の由」二葉亭四迷、「日本の小僧」三遊亭円朝、「柿の実」林芙美子、「亡弟」中原中也、「佐竹の原へ大仏を拵えたはなし」高村光雲、「大仏の末路のあわれなはなし」高村光雲、「ピアノ」芥川龍之介、「人の首」高村光太郎、「好き友」佐藤春夫、「子猫」寺田寅彦、「太陽の言葉」島崎藤村、「硝子戸の中」夏目漱石、「不良少年とキリスト」坂口安吾


◎庄野雄治(しょうの・ゆうじ)
コーヒーロースター。1969年徳島県生まれ。大学卒業後、旅行会社に勤務。2004年に焙煎機を購入しコーヒーの焙煎を始める。2006年徳島市内に「アアルトコーヒー」を、2014年同じく徳島市内に「14g」を開店。主な著書に『融合ししないブレンド』『誰もいない場所を探している』『たぶん彼女は豆を挽く』『徳島のほんと』(福岡晃子との共著)『コーヒーの絵本』(平澤まりことの共著)、編書『コーヒーと小説』『コーヒーと随筆』『コーヒーと短編』、短編小説集『たとえ、ずっと、平行だとしても』がある。





 一番新しいものが一番優れていると思われている。もちろん新しくて優れているものもあるけれど、そうでないものもある。新しいものは、やがて古くなる。ずっと新しいままではいられない。新しいものは古くなるが、いいものは古くならない。この本に掲載されている随筆はすべて半世紀以上前、中には百年以上前に書かれたものもある。これらの作品が、それを証明している。
 生きにくい世の中である。自由で豊かな社会は、目標がある人には素晴らしいけれど、何をやっていいのかわからない人にとっては、これほど厄介なことはない。大半の人は後者、もちろん私もそうだ。人は何かを成し遂げなければならない、いつからそんなことになったのだろう。
 世界は言葉で溢れかえっている。言葉は平易になり読み易くなっているにもかかわらず、本を読む人は減っているらしい。それはたぶん、文章が平易で読み易いからだと思う。読んでいる時に詰まったり、引っ掛かったりする、すなわち思考する行為がない読書はつまらない。つまらないものからは、自然と離れてしまう。仕方がないことだ。
 知らない言葉に出会ったら、その意味を自らの手で調べる。そうして語彙を増やしていくことこそ、社会に参加することなんじゃないのかな。猫には猫という名前があるから猫なのだ。赤は赤、空は空、哀しみは哀しみ。たくさんの人と世界を共有するには、たくさんの言葉が必要だ。
 世界は言葉で出来ている。そのために、人は言葉を覚える。勉強じゃないし、お金儲けや偉くなるためじゃない。言葉は、生きにくい社会で生きていくための武器なのだ。この本には、生きにくい人生を生きた人たちの言葉が詰まっている。
 言葉のバトンを受け取ろうじゃありませんか。次の人たちに渡すためにね。(「はじめに」より」)



*サンクチュアリ・パブリッシング扱い


融合しないブレンド
ブレンドコーヒーという小さな世界を変えるために綴った23の物語


融合しないブレンド
庄野雄治

2022年10月1日 発売
四六版変形・192頁
定価 本体1,000円+税 
ISBN978-4-910215-10-5 C0095

「ここには融合はないけれど、分断もない」
ブレンドコーヒーという小さな世界を変えるために綴った23の物語


言葉のあるコーヒーロースター、アアルトコーヒー・庄野雄治。
ロングセラー『誰もいない場所を探している』から7年、待望の書き下ろし随筆集が完成。
妻子がありながら36歳で会社を辞めてコーヒーロースターになった凡人が、焙煎しながら真剣に考えたこと。
混沌とした現代を楽しく豊かに生きるためのあれこれを、愛のあるあたたかな筆致で綴りました。


 コイン1枚で美味しいコーヒーが手軽に飲める世界で、100g500円のコーヒー豆を売る意義とはなんだろう。潤沢な資金があるわけでもなく、溢れるセンスや才能があるわけでもなく、コミュニケーション能力があるわけでもない。生活のために36歳からコーヒーロースターになった凡人にできるのは、自分にはなにができるかを真剣に考えることだけだった。考えに考えて、そして出てきたものの小ささに打ちのめされ、それでも考え続けた。正しい答えがどこかにあると信じて。今はそんなものはないとわかっているけれど、あの頃は本気で正解を探していた。
 未来は描くものではない。目に見えているもの、それがすべてだ。今見えているものが美しく幸福ならば、それは最高じゃないか。明日は今日の繰り返し。十年後も今日の繰り返し。世界がどんなに変わったとしても私は早起きして焙煎をしているだろう。初めて焙煎をしたときからなんにも変わっていない。それが私のコーヒーのすべて。
(『コーヒーのすべて』より一部抜粋)


◎庄野雄治(しょうの・ゆうじ)
コーヒーロースター。1969年徳島県生まれ。大学卒業後、旅行会社に勤務。2004年に焙煎機を購入しコーヒーの焙煎を始める。2006年徳島市内に「アアルトコーヒー」を、2014年同じく徳島市内に「14g」を開店。主な著書に『誰もいない場所を探している』『たぶん彼女は豆を挽く』『徳島のほんと』(福岡晃子との共著)『コーヒーの絵本』(平澤まりことの共著)、編書『コーヒーと小説』『コーヒーと随筆』『コーヒーと短編』、短編小説集『たとえ、ずっと、平行だとしても』がある。



*サンクチュアリ・パブリッシング扱い



田辺のたのしみ
あたたかく、美しく、懐かしい
紀州・田辺の新しいたのしみ

田辺のたのしみ
甲斐みのり

2022年4月20日発売
ミルブックス
四六版・並製本・128頁(フルカラー)
定価(本体1,200円+税)
ISBN978-4-910215-09-9

装画 湯浅景子


〈昭和レトロ〉の風情が残る和歌山県田辺市。この土地に魅了され、熱心に通い続けている町歩きの達人、文筆家・甲斐みのりが、あたたかく懐かしい「田辺のたのしみ」を案内。美しい写真とともに、心地よい筆到で丁寧に綴った、心が柔らかくなる優しい紀行集です。


温暖な気候で、人柄ものんびりしている田辺。美味しい魚料理や麺料理、甘く愛らしい素朴なお菓子、昔ながらの喫茶店やパン屋。美味だけではない。どこまでも鮮青が広がる穏やかな海岸、ゴロゴロと豊かに実るみかん畑や梅畑、偉人ゆかりの旧居や神社。いつか体験したような懐かしさと非日常が感じられる、大切な宝物が見つかるかけがえのない場所だ。ひとりでも多くの人が田辺を訪れ、この町に流れる穏やかな風を体感して欲しいと心から願っている。元気に体が動く限り私は、田辺に通い、この地で季節の移ろいを感じながら、変わることのない風景も、変化も見届けたい。田辺には、目には見えないけれど大切ななにかが宿っている。(「はじめに」「おわりに」より一部抜粋)


甲斐みのり(かい・みのり)
文筆家。1976年静岡県生まれ。大阪芸術大学卒業後、数年を京都で過ごし、現在は東京にて活動。旅、散歩、お菓子、手みやげ、クラシックホテルや建築などを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。著書は『くらすたのしみ』『たべるたのしみ』(ミルブックス)など40 冊以上。『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』(エクスナレッジ)は、ドラマ「名建築で昼食を」(テレビ大阪)の原案に起用された。


*サンクチュアリ・パブリッシング扱い
コーヒーと小説 新装版
コーヒーによくあう、すこぶる面白い小説12編


コーヒーと小説 新装版
庄野雄治 編

2021年11月17日 発売
文庫版・320頁
定価 本体800円+税 
ISBN978-4-910215-08-2

カバーモデル 安藤裕子
写真 大沼ショージ
挿絵 木下綾乃


古い小説にも造詣の深い、『コーヒーの絵本』の著者で徳島の人気焙煎所アアルトコーヒー庄野雄治が、コーヒーによくあう“すこぶる”面白い小説を厳選しました。現代に生きる私たちにこそ響く、至極面白く、とても読みやすい小説集です。コーヒーを飲みながらお楽しみください。カバー写真には、小説に登場する魅力的な女性たちの象徴として、人気シンガーソングライター・安藤裕子さんを起用。長らく品切れしていた人気書が文庫サイズ、新たな2編を加えた増強新装版で復活!


「コーヒー屋のくせにではなく、コーヒー屋だから作れた、ちょうどいい短編集」
小説は読まなければならないものではない。そこがコーヒーとよく似ている。 どちらも、あってもなくてもいいけれど、あれば生活が豊かになる。だから、小説とコーヒーはよくあうのだ。



◎掲載作品(掲載順)
「グッド・バイ」太宰治、「桃太郎」芥川龍之介、「水仙月の四日」宮沢賢治、「日記帳」江戸川乱歩、「鮨」岡本かの子、「愛撫」梶井基次郎、「七階の運動」横光利一、「嫉妬する夫の手記」二葉亭四迷 、「野萩」久生十蘭 、「夜長姫と耳男」坂口安吾、「少女病」田山花袋、「忘れえぬ人々」国木田独歩


◎庄野雄治(しょうの・ゆうじ)
コーヒーロースター。徳島県生まれ。大学卒業後、旅行会社に勤務。2004年に焙煎機を購入しコーヒーの焙煎を始める。2006年徳島市内に「アアルトコーヒー」を、2014年同じく徳島市内に「14g」を開店。主な著書に『誰もいない場所を探している』『たぶん彼女は豆を挽く』『徳島のほんと』(福岡晃子との共著)『コーヒーの絵本』(平澤まりことの共著)、編書『コーヒーと短編』『コーヒーと随筆』、短編小説集『たとえ、ずっと、平行だとしても』がある。



 コーヒー屋になって何年もヒマだった。テレビもパソコンもない店だったから、とにかく一日じゅう本を読んでいた。そのほとんどが小説、しかも古典とされている古い作品ばかり。しかし、これがすこぶる面白かった。そして、それらの作品から、時代は変わっても、人は全然変わっていないんだってことを教えられた。自然災害の前では立ちすくみ、疫病に怯え、妻と仲良くする男には腹を立て、猫の足の裏はあたたかい。
 小説には、ノンフィクションや哲学書のように、何の答えも書かれていない。しかし、それが何より素晴らしい。読んだ人の数だけ物語がある。それは自分で考えるということ。正しいとされる答えを覚える勉強ばかりして育ってきた私たちに必要なのは、自分で考えるということなんだ。
 自由なようでいて、小説を書くこと、読むことがこんなにも不自由な時代はないんじゃないか、と思うことがある。小説とは何なのかよくわからない時代、作家たちが情熱を傾けて作った物語の強靭さと、自由に小説という荒野を駆け回る様を味わって欲しいと思い、チャーミングな十編を選んだ。文豪と言われる人たちの作品が多いけれど、決して代表作でもないし、完成度や評価の高い作品ばかりではない。中には未完の作品や、習作まである。だけど、そのどれもがとても読みやすく、すこぶる面白い。それがこの本の唯一のテーマだ。『コーヒーと小説』というタイトルだけれど、小説の中には一切コーヒーは出てこない。
 コーヒーはいろんなものに寄り添えるところがいい。特に本との相性は抜群だ。コーヒーを飲みながら、一日一編をゆっくり読む。半月もあれば読み終わる。豊かな時間だったな。そしてまた、時間をおいて何度も手に取る。本として長く愛でることの出来る、強度のある小説集が一冊あれば、それでいい。
 コーヒー屋のくせにではなく、コーヒー屋だから作れた、ちょうどいい短編集。コーヒーを飲みながら楽しんでいただけると、望外の幸せだ。
(「はじめに」より)


*サンクチュアリ・パブリッシング扱い



道具と料理
食にまつわる道具の物語と絶品イタリアンレシピ


道具と料理
相場正一郎 著

2021年11月1日 発売
四六判・192頁
定価(1,200円+税)
ISBN978-4-910215-07-5 C0077


レストラン「LIFE」のシェフでイタリアンの達人・相場正一郎。彼が長年に渡り愛用してきた、食にまつわる38の道具の物語と
その道具で誰でも手軽に美味しくできる38の絶品イタリアンを、愛機のライカで自ら撮影した写真とともに丁寧に綴りました。
食を豊かにする道具への愛を綴ったエッセイと初心者でも簡単に作れるイタリアンを案内した、今までにない新しい料理本の誕生!


「人にとって何よりも大切な〈食べること〉をただ生きるためでなく、楽しく豊かにしてくれるもの」
イタリアンのシェフである僕のような食を生業としている者だけでなく、全ての人間にとって何より大切な道具は、食を豊かにするためのものだ。それを意識していないけれど太古から食を楽しむために道具を進化させてきた先人たちの恩恵を受けて、私たちは日々、楽をして美味しい食事を口にしている。道具と料理は切っても切れない関係にあるものなのだ。
本書で紹介する僕の愛用道具には、特別な何かが宿っているが、どれも手に入れやすい、特別ではないものばかりだ。そして、それらの道具を使って僕がよく作っている料理を記したが、レストランで出している料理とは少し視点の違う、短時間で手軽に作ることができる、毎日の暮らしに寄り添うメニューを中心に選んだ。
人にとって何より大切な、食べるという行為を、ただ生きるためでなく楽しく豊かにしてくれるもの。それこそが「道具と料理」である。(「はじめに」より)


◎相場正一郎(あいば・しょういちろう)
1975年栃木県生まれ。1994年〜1999年にイタリアのトスカーナ地方で料理修行。東京都内のイタリアンレストランで店長兼シェフとして勤務した後、2003年東京・代々木公園駅にカジュアルイタリアン「LIFE」をオープン。全国で4店舗のレストランを運営しており、カルチャーを作る飲食店としても注目を集めている。主な著書に『山の家のイタリアン』、『30日のイタリアン』、『30日のパスタ』(ミルブックス)、『世界でいちばん居心地のいい店のつくり方』(筑摩書房) 、『LIFEのかんたんイタリアン』(マイナビ) がある。二児の父親であり、週末は家族で栃木県那須町にある山の家で暮らす二拠点生活を送っている。


*サンクチュアリ・パブリッシング扱い


コーヒーと短編
コーヒーによくあう、すこぶる面白い短編18編


コーヒーと短編
庄野雄治 編

2021年10月1日 発売
四六版変形・320頁・上製本
定価(本体1,300円+税)
ISBN978-4-910215-06-8

カバーモデル 安藤裕子
写真 大沼ショージ


コーヒーによくあうすこぶる面白い小説集、待望の第3弾
安藤裕子の書き下ろし短編小説を含む、珠玉の18編を収録


近代文学に造詣が深く、『コーヒーの絵本』の著者で徳島の人気焙煎所アアルトコーヒー庄野雄治が、コーヒーを飲みながら読んで欲しい短編を厳選しました。大好評を博した『コーヒーと小説』『コーヒーと随筆』の姉妹書、本シリーズの第3弾完結編。今作もカバーモデルに、作品に登場する魅力的な女性の象徴としてシンガーソングライター・安藤裕子さんを起用。そして、本シリーズの締めくくりとして安藤裕子さん書き下ろしの短編小説「謀られた猿」を収録。その他、古典落語「死神」の原案になったグリム童話、小学校を舞台にしながら現代社会を描いたような谷崎潤一郎の隠れ名作、多くの著名人も愛読書としてあげる小川未明の童話から随一の傑作と誉高い作品など、すこぶる面白い短編を18作選り抜き、シリーズ最高傑作が完成しました。



◎掲載作品(掲載順)
「桜桃」太宰治、「越年」岡本かの子、「西東」坂口安吾、「死神の名づけ親」グリム童話 金田鬼一・訳、「団栗」寺田寅彦、「蜜柑」芥川龍之介、「水仙」林芙美子、「夕焼け」吉野弘、「耳かき抄」木山捷平、「プールのある家」山本周五郎、「一ぷく三杯」夢野久作、「笑われた子」横光利一、「檸檬」梶井基次郎、「メロン」林芙美子、「赤い蝋燭と人魚」小川未明、「一房の葡萄」有島武郎、「小さな王国」谷崎潤一郎、「謀られた猿」安藤裕子


◎庄野雄治(しょうの・ゆうじ)
コーヒーロースター。徳島県生まれ。大学卒業後、旅行会社に勤務。2004年に焙煎機を購入しコーヒーの焙煎を始める。2006年徳島市内に「アアルトコーヒー」を、2014年同じく徳島市内に「14g」を開店。主な著書に『誰もいない場所を探している』『たぶん彼女は豆を挽く』『徳島のほんと』(福岡晃子との共著)『コーヒーの絵本』(平澤まりことの共著)、編書『コーヒーと小説』『コーヒーと随筆』、短編小説集『たとえ、ずっと、平行だとしても』がある。


 本にはいろいろな読み方がある。小説を読んだ後には、詩が読みたくなる。随筆や童話や評論、全く異なる何冊もの本を並行して読むこともある。短編小説を中心に、随筆や詩や童話などが並んでいたら、それはとても素敵じゃないか。一編一編は短いけれど、強弱とリズムのある自由な一冊。そして、それがコーヒーに合わないわけがない。コーヒーも本も、決まりはなく自由に楽しむものだ。
 有名だけれど意外と読まれていないものがあるし、読んだけれど心が動かなかったものもある。たとえば、国語の教科書に載っていた小説や随筆や詩や童話。教科書に載っているからどうせ面白くないだろうと、端から決めていたふしが私にはあった。だけど、今回選んだ作品の多くが教科書に載ったことがあると知り、自分の思い込みが可笑しかった。いい作品は教科書に載るし、きっと今も載っているはずなのだ。これは有名だからとか、みんな知っているからやめておこうとか、そういうことは一切なし。今の自分が読んで、面白いと思った作品を純粋に選ぶことにした。
 そして、本シリーズのカバーモデルをつとめてくれた、シンガーソングライター・安藤裕子さんの作品を、締めくくりに選んだ。言葉の選び方や構成はもちろん、何より強弱とリズムが素晴らしい。これからきっと、音楽だけでなくたくさんの著作を発表していく方だと思う。本書に、安藤裕子さんの書き下ろし短編小説を掲載できたことを光栄に思う。
 私はずっと、同じことしか言っていない。新しいも古いもない。いいか悪いか、それだけだ。そして、いいものを次へ渡していくのが大人の役目。受けたバトンを次の人に渡す。それが人の使命だ。そして、私がいいと思うものが全てではないし、違うと思う人がいて当然だ。否定でも肯定でもない、たくさんの人のいいものが至るところで渡される世界になるといいなと思う。あなたに、先人たちのバトンが届きますように。
(「はじめに」より)


*サンクチュアリ・パブリッシング扱い
 



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