田中 克彦 2007/ 8/18(土)
TSHは甲状腺刺激ホルモンといい下垂体から分泌されるホルモンで、甲状腺に直接働き甲状腺ホルモン分泌を調整しています。
TSHは、測定の仕方によって正常値の範囲は多少異なりますがRIA固相法では0.34〜3.5μU/ml、ECLIAでは0.523〜4.19μIU/mlとなり、ご質問の「あさがお」さんの8は何れの方法としてもやや高値になります。TSHが高くても甲状腺がんの可能性は余り高くありません。
TSHが高値の場合の多くは原発性の甲状腺機能低下症で、その80%は橋本病が占めます。他にまれではありますが下垂体にTSH産生腫瘍ができる場合も考えられます。一番頻度の高い、橋本病は、自己免疫性の甲状腺疾患で、び慢性に甲状腺が腫れ、甲状腺の機能が低下する疾患です。甲状腺の機能が亢進するバセドウ病とともに女性に多いのが特徴です。
まず、首を確認し、甲状腺(首の真ん中やや下方の部位で、男性の場合なら「のど仏」の真下になります)が腫れているかを確認するのが良いでしょう。腫れている場合はもちろん医療機関に相談する必要があります。また、「あさがお」さんがどのような経緯でTSHを測定したかは不明ですが、他に甲状腺ホルモンや橋本病の検査である甲状腺の自己抗体の検査は行っているか、もしくはそのような検査を行う必要があるかを、検査を受けた医療機関で確認するのが一番良い方法だと思います。
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