田中 克彦 2007/ 1/30(火)
2004年の高血圧治療ガイドラインでは、糖尿病や心肥大・腎障害などを伴わない高血圧症の場合、体重の多い人は減量し、塩分制限や運動療法・節酒・禁煙などの生活習慣の是正で3ヵ月様子を診ても血圧が140/90mmHg以下に下がらない場合は降圧治療を行います。
ご質問の「えり」さんは、文面から察するに若年と思われますので、過体重・塩分過多・運動不足などに心当たりがあるようなら生活習慣の是正をまず行い、その後血圧が下がらないようですと薬物療法を考慮するようになります。
1つ問題なのは下の血圧(拡張期血圧)が110と高いことで、これは、先述のガイドラインからすると重症の高血圧に分類されます。頻繁に血圧を測定し、下の血圧が100以上の状態が持続するようなら、早めの治療が必要になります。「えり」さんの場合、就職の後に血圧が上昇しているようなので、ストレスも血圧上昇の誘因になっていると思います。生活習慣の是正とストレスをなるべく減らすようにして(これが一番難しいかもしれません)血圧を頻繁に計測し、140/90以上が持続するようなら、また、下の血圧が110以上の場合は、直ちに医療機関に受診するのが良いと思います。
血圧測定で重要なのは1回だけの数値ではなく、頻繁に測り血圧の状態を傾向(平均値で)で判断する(例えば下の血圧が高めで経過する傾向・朝血圧が高めの傾向など)のが重要です。
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