田中 克彦 2018年 4月 5日(木) 胸が苦しい・胸が詰まる感じ・どきんとするなどの症状は外来を訪れる方の中でも比較的頻度の高い症状です。 これらの症状が出現した場合、一般的には、不整脈の出現や狭心症などの虚血性心疾患の可能性を疑います。 今回、22歳と若年の方であること及び長時間心電図検査やレントゲン検査で明らかな異常を認めなかったことから、少なくとも不整脈の可能性は否定的です。 家族性の高脂血症や高度の肥満、高血圧症がなければ動脈硬化が原因で発症となる狭心症の可能性も低いと考えられます。 夜間、一定の時間に胸痛が出現しやすい冠動脈の痙攣が原因となる冠れん縮性狭心症の可能性は否定できませんが、「空気が入ってこない」感じがあることから考えると、不安症状の悪化で発症するパニック障害の可能性があります。 パニック障害は、悪化する場合過換気になりますので、手指や足の指のしびれやつっぱり、口の周りの痺れなどの症状が発症する場合もあります。
冠れん縮性狭心症、パニック障害の鑑別及び診断には問診が非常に重要になりますので、一度ゆっくりと症状や症状の出現時期、他の症状の有無など聞かせていただくのがよいと思います。
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