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大河ドラマ 金子一朗 2012/ 4月29日(日) 20:43
NHKの大河ドラマ「平清盛」の視聴率が低迷していること、兵庫県知事が画像について批判的な発言をしたことは、いろいろなところで目にする。私はテレビをほとんど観ないので、こういった記事について肯定も批判もできなかったのだが、実際に観てみたら、自分にとってはとても素晴らしいものであった。ドラマの見方については、出演者の演技力、あらすじの楽しさや複雑さを楽しむこともあるだろうが、これについては、これまでの大河ドラマのものと大差があるとは考えにくい。それは、このドラマでは、常に、民放では考えられないような豪華キャストであること、時代劇がその素材の主なものであることなどをぼくは理由として考えている。
 しかし、あの画像はどうだろうか。どの瞬間をとっても、構図、色彩、陰影、変化の微妙なスピードなどが、数ある名画に匹敵し、しかも時代考証までが明らかに考慮されている現代アートに感じられた。優れた映画の中にはこういった画像が存在しうるが、テレビの一般的なドラマで、このような画像は歴史上類を見ないのではなかろうか。また、画像だけではないが、極めて不連続な瞬間が随所に存在するが、これもテレビドラマとしては斬新だと思う。また、吉松隆氏の音楽がとても素晴らしい。氏の音楽は、以前、ピアノを教わっていた田部京子先生の録音されたCDで、独特なデリケートさと美しさを知り、虜になったことがある。
 一般的に、人間は、日常の繰り返しの中に突然異なる事柄が起こると、その価値に関わらず拒否反応を示す場合が多い。たとえば、毎日、晩酌でビールを飲んでいる人に、ある日、突然、ブルゴーニュの繊細、複雑で洗練されたワインを提供しても、戸惑うだけだろう。私の感覚では、このドラマの視聴率が低迷していることは、歴代の大河ドラマを見続けている人たちにとって、突発的なものであったことが理由なのではないかと思う。また、芸術性の高さと大衆的な人気は必ずしも両立しないことはこれまでの歴史が物語っているので、これも理由なのだろうと思う。怖いのは、マスコミの、視聴率が低いという記事を鵜呑みにして、観もせずに低く評価をし、それが連鎖反応を起こすことである。そもそも、視聴率の高さが作品の評価と一致することを信じている人はごく少数だろう。人の評価は、よほど信頼できる人ないし団体のものを半分程度信用し、その残りの部分は自分で検証するくらいでちょう

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