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Courante とCorrente 金子一朗 2012/ 4月 9日(月) 23:34
 これは面白い問題を提起する。ロマン派以降の作品だけを演奏している人をAさんとし、バロック、古典派を演奏している人をBさんとすると、Aさんはバロック、古典派を正しく演奏できない可能性がある。それは、「書かれたこと」だけを演奏している可能性があるからである。もちろん、そうでない人もたくさんいる。しかし、B さんは、作品の時代背景から作曲語法、当時の様式などを理解して演奏することが習慣化しているため、ロマン派以降の作品を演奏しようとするときに、書かれていることだけでなく、バロックなどを演奏するときと同じような知的アプローチをするだろう。自ずと表現は異なるはずだ。もちろん、使う演奏技術は異なるところがある。たとえば、ロマン派以降では和音やオクターブの急速なパッセージ、最強音から最弱音までの音量の変化、さまざまなペダル技術など、古典派、バロックには要求されないものもたくさんある。しかし、音楽の本質的な表現に比べれば、こういった問題は些末である。頭で正しく理解されていないで技術だけがあっても、意味がない。ぼくに最高のスノーボードを与えても、履き方すら知らないぼくは決して上手に滑れないだろう。それと同じである。(続)

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