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最高のスノーボード 金子一朗 2012/ 4月 8日(日) 19:28
 そう、ぼくは母に連れられて、15歳の時に初めてオペラを観に行った。それは、プッチーニのオペラ「蝶々夫人」の日本語による上演のものであった。しかし、第1幕から、様式のずれによる不快感が増大し、ついには耐えられなくなり、母には悪いが第1幕が終わった段階で母に感謝することもなく、生意気に「気分悪いから帰る」と言い放って会場を後にしたことがある。今なら我慢して最後まで観劇して母に気遣うのであろうが、当時は未熟だった。それが原因で、その後10年間、オペラを嫌悪することになり、オペラの理解が著しく遅れた原因になった。初心者には本物の、しかも最高のものに触れさせるべきであるという考えは、自分のこういった経験からも極めて重要なことであると思っていて、自分が所属する教育機関でも、そういったことを常に念頭に置くことを考えている。
 話を元に戻す。近現代の作品では、作曲家はあらゆる誤解が生じないように、強弱、アーティキュレーション、速度だけでなく、表情など、さまざまな言葉を使ってまで楽譜に書き込んでいる。また、楽器も現在の楽器とほぼ同じなため、書かれた通りに演奏すればバロック時代の作品を演奏するような問題はほとんど起こらないはずである。しかし、現実には、なかなか一筋縄ではいかない。(続)

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