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ポピュラーであること 2019年 1月13日(日) 00:22
年末年始の休業期間の過ごし方は人それぞれである。私の場合、もちろん、普通におせち料理を楽しんだり、料理をしたり、墓参りに行ったりすることもあるが、読書や読譜をすることが多い。実は、あまりピアノを練習しない。まとまった時間でできる読書や読譜は、普段の忙しいときにはなかなかやることが難しい、ある種の知見を深めることにつながるからである。
昨年は、ベートーヴェンのピアノソナタのかなりの量の読譜をしてみたが、久しぶりに読んでみると、当然のことながら、以前とは違う風景が見えてきた。今年はバッハの平均律の一部とラフマニノフのピアノ作品の読譜をしてみたが、ラフマニノフの音楽語法にはかなりの英知があり、人口に膾炙した多くの作品の印象と異なり、作品によってはかなり難渋なものであった。そもそもラフマニノフは生涯にわたって機能和声から逸脱しなかったわけだが、同時代の他の作曲家達に比べて語法が古いことは否めない。それは言い方を変えれば、伝統的な手法で過去の偉大な作曲家達の作品と対峙することが求められる。これは、たとえば12音技法や移調の限られた旋法その他をはじめとする新しい音楽語法を用いた作曲家に比べ、ある意味では困難な道を歩んでいることになる。
しかし、新らしい音楽語法で作曲した同時代の作曲家の作品とラフマニノフの作品では、ラフマニノフの方がポピュラーであるということは興味深い。芸術的な先進性や独創性が必ずしも市民権を得るとは限らないのである。

芸能人格付けチェック 2019年 1月 6日(日) 21:52

最近は小学生でも大人顔負けの素晴らしいピアノ演奏ができる人がたくさんいる。社会人でも同様である。私はふだん、ニュース以外のテレビ番組を見ることはほとんどないが、芸能人格付けチェックという番組が正月にかならずあり、皆さんよくご覧になっているようだ。その中で、プロとアマの演奏を聴き分けるというのがある。プロとアマというのは、必ずしも演奏の質を反映しないこともある。プロでもあまり演奏の質が高くない人もいるし、アマでも質が高い人はいる。従って、プロかどうかについては、生業にしているか(できているか)どうかがプロかアマの違いという定義が一番すっきりしている。番組ではそういう意味でプロとアマを分けておらず、演奏の質で聴き分けるということらしい。
ピアノ演奏で質が高いかどうかということを聴き分けるポイントはかなりの種類があり、あるレベルに達すると、ほんの数秒聴くだけで質が高いかどうかは判別できる。以前、知人に聞いた話だが、ある有名なコンクールで、ある審査員を観察していたら、演奏者の最初の30秒くらい聞いて、採点用紙かなにかに何かを少しだけ書いて、あとは寝ていたが、審査結果をみたら、その審査員の出した評価はとても順当なものだったということであった。
そういった聴き分けるポイントというのは、どのポイントについてもある点が共通しているが、大きく分けて3つほどある。それは、音の響きの時間と共に変化する横の流れについて、ほぼ連続的に聞くということだ。ほとんどの人間は、音を断片的にしか聞いていない。たとえば0.1秒聞いて0.4秒聞いていないという状態が繰り返されるような感じである。
更にほとんどの人は1つの線しか聴いていない。たとえば、メロディーを聴いているとすると、メロディー以外の音はほとんど聴いていない。しかし、経験を積んだ人は、複数の線を同時に聴くことができる。訓練すればするほど同時に聴いて認識できる線の本数が増えていく。
更に、同時に複数の音が鳴っているとき、それらの音の響きのバランスの変化を連続的に聴くことができる。
これらの能力は一朝一夕に身につくものではない。かなり長い期間に渡って、伝統的な訓練を積んだ者だけに与えられるものである。
また、メロディー一つをとってみても、いわゆる伝統的な歌い方というのがあって、これは、万人が美しいと思う公理的なもので、クラシック音楽ではそれを長年かけて積み重ねてきている。そういった歌い方を訓練することもかなりの期間が必要で、これは1フレーズを聴けばそういった訓練を積んできているかどうかは簡単にわかってしまう。
視覚に比べ、聴覚というのはかなり曖昧な感覚の気管であるが、それだけに、訓練を積んだかどうかによってかなり能力の差が現れる。しかし、訓練を積まなくても楽しむことができる曲が多数ある。つまり、訓練の度合いに応じて楽しみ方が様々あるということだ。そこが音楽の面白いところである。

BSプレミアム『玉木宏 音楽サスペンス紀行』 2019年 1月 2日(水) 21:25
1月2日のBSプレミアム『玉木宏 音楽サスペンス紀行』でショスタコーヴィチの音楽についてかなり興味深いことが放映された。中でも、シンフォニー第7番のマイクロフィルムがアメリカに極秘で旧ソヴィエトからアメリカに送られた部分については少なからず衝撃を受けた。
個人的には、音楽は政治とも宗教とも無関係で純粋に情緒の変化を音で表すということに多くの共感を得ている。歴史的には、この番組でもわかる通り、過去の歴史において音楽が政治的、宗教的にかなり利用されてきていることは十分承知の上でだ。また、必要に応じて、当然のようにヨーロッパの音楽全般を理解するために必要なキリスト教などの素養を高める努力はしてきた。
現代の多くの先進国において、当たり前のようにクラシック音楽のみならずあらゆる音楽を自由に享受できるわけであるが、これは少なくとも第2次大戦の時期まではまったく当たり前ではなかったことは周知の事実である。こうした番組は、自由に音楽を楽しむことができる環境で生活できることがいかに素晴らしいことであるかを再認識させてくれる。

私は、父が音楽好きであったことや、父の兄が旧ソヴィエトで生活したり、仕事がそれに関係するものであったりした関係なのか、子どもの頃からロシア音楽には特に大きな感銘を受けてきた。ロシア語にはほとんど素養がないが、たとえば、10代の頃はムソルグスキーの歌劇「ボリス・ゴドノフ」にはかなり心酔していた。これは、言葉がわからなくても、その音楽の本質に共感したからであろう。不思議なことに音楽以外はあまり共感がもてないのであるが、それは多分に史実に対する知識によるものかもしれない。

しかし、自分が収録している音源の中でロシアものの占める割合は、スクリャービンを除いて比較的少ない。ムソルグスキー、プロコフィエフ、ラフマニノフ、スクリャービン、メトネルなどの作品はいずれも演奏が困難なものが多い。年齢を考えると、重点的に収録していかなければいけないのではないかと思い、この年末年始の自由な時間に楽しく読譜をしている。8月26日のリサイタルは暑い時期で、重厚なロシアものを演奏する(聴く)には適さないと思うが、今はこれを重点的に選ぶような気持ちになってきている。

走ること 2019年 1月 1日(火) 23:52
自分の周りにはピアノをはじめとした楽器を扱う知り合いが多い(歌も含む)ので、なぜ楽器を演奏するのかにについては、日常の生活の一部となっているために、話題にならない。ただし、練習がきついとか、本番が迫っているとか、そういうときに、なぜ楽器を演奏しているのかということを考えることはなくもない。これは登山する人、陸上競技をする人、絵を描く人、ゲームをする人など、およそ何らかの行動をとる人はすべて同じだろう。
これらは、職業でない限り、絶対に必要とは言えないかもしれないが、そもそも必要であるかどうかの定義は難しい。数学は様々な分野に分かれているが、その中に、変化の仕方を分析する手法(解析学)がある。世の中のほとんどの現象は時間と共に変化しているから、その状況を把握するのに数学はかなり重要な道具となる。従って、そういった観点から数学は必要であると言う人はいる。しかし、数学について習熟していない人にとっては、その必要度や有用性を知らないために、自分には数学は必要ではないという人もいる。英語などの語学は、その点、有用性がわかりやすいので、必要だと思う人の割合は数学よりは多いかもしれない。
しかし、人間は、そういった、実学的な価値観だけでは生活できない。高いお金を払って旅行したり、高価な食材を使った食事をしたり、高価な車を所有して運転したりする人もいるが、これらは、万人に必要とは言えない。
つまり、「必要である」「重要である」は、人によってその内容は異なる。
言語は、様々な意思の疎通に便利であるが、すべての意思の疎通ができるアイテムではない。どんなに語彙を持っていても、優れた絵画を言葉だけで表現することはできない。美しい風景、音楽、踊りなどすべて同じだ。人間が表現したり受容したりする内容のすべてを1通りで表現することはできない。また、人によって表現したい内容も異なる。
すべての人間は言語を用いているが、こういった理由から、どの人間も必ず言語以外の表現能力をもっている。
自分の場合、ピアノ、ないし鍵盤楽器は、自分が言語で表現できないことを表現するのにある程度役に立っているが、どれが一番役に立っているかは人によって異なる。

さて、ピアノについて、ピアノを弾ける人もそうでない人も、ピアノを指で弾くと思っている場合が多いが、それは、おそらくは200年ほど前くらいまでであって、現在のピアノ技術はまったくそうではないということを知らない人はかなりいるようだ。そのことが、自分の表現したいことをピアノで表現するのに支障となっている場合がかなり多いようだ。
これを説明するのに、現代では様々なピアノ技術の教則本が出版されているが、どの本も端的に述べている場合は少ない。端的に説明するのには、「走る」ということと比較しながら説明するとよくわかってもらえる。
簡単に言うと、次の通りである。
走るときには足の裏が地面に接地するが足首から先だけで走っているわけではない。身体全体を動かして走っている。
ピアノを弾くときには指が鍵盤に接地するが指の付け根から先だけで弾いているわけではない。身体全体を動かして弾いている。
この、かなり当たり前の事実を理解すると、鍵盤楽器というものはかなり簡単に演奏できるわけだが、まだまだこういった理解は一般的ではない。理解が進んでメソッドが学校教育レベルまで普遍化して浸透するには、AIなど、現代の様々な技術が必要かもしれないが、そのためには仕様を明確に整えることも必要だ。需要があれば、いずれ、誰でも鍵盤楽器を自由に扱える時代が来るかもしれない。

社会人アマチュアのためのショパンエチュード公開レッスン第4回 2018年11月 8日(木) 22:58
次のレクチャー付きの公開レッスンを行うことになりました。ショパンエチュードの発展形としてスクリャービンのエチュードをとらえることで、ショパンとスクリャービンの作品を表現する技術と音楽的な理解が深まります。是非、御参加くださいませ。

社会人アマチュアのためのショパンエチュード公開レッスン第4回
<特別企画:ショパンとスクリャービンのエチュード>

 2018年11月25日(日) 10:00〜19:30 (開場9:45)
  主催:アマチュアショパンエチュード研究会
  場所:西巣鴨音楽堂
  (東京都豊島区西巣鴨2-5-1)
  (JR山手線「大塚駅」北口 より 徒歩7分
   都営地下鉄三田線「西巣鴨駅」A1出口 より 徒歩8分
   都電荒川線「庚申塚駅」より 徒歩2分)
 ピアノ2台体制での公開レッスン

◉◉タイムスケジュール◉◉
9:45 開場
10:00-11:00 『ショパンのエチュードと、その発展型としてのスクリャービンのエチュード』総論レクチャー

11:10-11:30 スクリャービン:エチュードOp.8-9 個別レクチャー
11:30-12:20 スクリャービン:エチュードOp.8-9 個別レッスン(レッスン生:栗本康夫)

12:30-12:50 ショパン:新エチュード第2番 個別レクチャー
12:50-13:40 ショパン:新エチュード第2番 個別レッスン(レッスン生:福家幸子)

13:40-14:20  休憩

14:20-14:40 スクリャービン:エチュードOp.42-5 個別レクチャー
14:40-15:30 スクリャービン:エチュードOp.42-5 個別レッスン(レッスン生:小林創)

15:40-16:00 ショパン:エチュードOp.10-10 個別レクチャー
16:00-16:50 ショパン:エチュードOp.10-10 個別レッスン(レッスン生:吉村英二)

17:00-17:20 スクリャービン:エチュードOp.8-5 個別レクチャー
17:20-18:10 スクリャービン:エチュードOp.8-5(レッスン生:戸谷博子)

18: 20-18:40 ショパン:エチュードOp.10-3 個別レクチャー
18:40-19:30 ショパン:エチュードOp.10-3 個別レッスン(レッスン生:阪下力)

聴講料金:1人3000円 30名限定 要・受付番号
3000円で出入り自由(ただし各レッスンお合間、休憩時間に出入りをしてください)
お申し込み時に受付番号をお伝えしますので、当日受付にその番号を伝え清算してください。 チケットはありませんので、受付番号をかならず控えてご来場ください。

お問い合わせ:
メール「amateurchopinetude★yahoo.co.jp」まで
(迷惑メール対策で★のところ@に変えてください)
(Yahooメールが受信できるように設定お願いします。:例年、こちらのYahooメールからの返信が設定で跳ねられてしまい、こちらからのご連絡ができない方がおられます)
 

※タイムスケジュールは現時点での暫定です。選曲が変わることもあります。
※聴講者による録音/録画は固くお断りしております。メモ書きは自由です。
※聴講者の方も自分用のスクリャービンエチュード集、およびショパンエチュード集の楽譜をお手元にご準備ください
(ショパンはエキエル版またはパデレフスキー版のいずれかでお願いします。それ以外の版は、デュナーミクやアーティキュレーションが大きくちがっていることがありレッスンの途中で混乱が生じる危険性があります。)
リサイタルを開催致します 2018年 7月25日(水) 22:09
皆様いかがお過ごしでしょうか。このたび、2018年8月26日(日)19:00より、彩の国さいたま芸術劇場音楽ホールにてソロリサイタルを開催することになりました。もしお時間がございますようでしたら是非ご来聴賜れば幸いにございます。よろしくお願い致します。
動画をアップしました 2018年 5月18日(金) 05:30
先日収録した、ショパンのマズルカOp.41、スケルツォ第2番、英雄ポロネーズ、新エチュード、そして、アルベニスのイベリア第2集、ラフマニノフのソナタ第2番をyoutubeにアップしました。よろしければ聴いていただければ幸いです。

https://www.youtube.com/channel/UC2L78KXqWC_P6UL2GFFglEw?view_as=subscriber


2017年11月12日(日) 17:49
少し時間が経ちましたが、2017年8月の演奏をアップしました。

https://www.youtube.com/user/kanekoic/videos

曲は、リストのバラード2番、エステ荘の噴水、愛の夢第3番、アルベニスのイベリア第3集(アルバイシン、エル・ポロ、ラバピエース)です。
お聴きいただければ幸いです。
2017年3月の音源をアップしました 2017年10月 4日(水) 18:47
少し時間が経ちましたが、2017年3月の演奏をアップしました。

https://www.youtube.com/user/kanekoic/videos

曲は、アレキサンダー・スクリャービンのエチュード全曲、すなわち、12の練習曲Op.8、8つの練習曲Op.42、3つの練習曲Op.65、Op.8-12の異稿と、ピアノソナタ第3番Op.23、ピアノソナタ第10番Op.70です。
お聴きいただければ幸いです。
リサイタル御礼 2017年 8月24日(木) 11:13
8/21のリサイタルには、お忙しい中を多くの方々にご来聴いただき、本当にありがとうございました。
また演奏会を行う際は是非よろしくお願い致します。

金子 一朗 拝
リサイタルのご案内 2017年 5月17日(水) 03:41

皆様いかがお過ごしでしょうか。
表記の通り、2017年8月21日19:00より、上野にあります東京文化会館小ホールにて、ピアノリサイタルを開催致します。もしお時間がございましたらご来聴いただければ大変嬉しく存じます。

よろしくお願い致します。

詳細は以下の通りです。


<プログラム>
 F. リスト
  「巡礼の年報第3年」より、第4曲「エステ荘の噴水」
  「詩的で宗教的な調べ」より、第7曲「葬送曲」
  「愛の夢」第3番 

 I. アルベニス
  組曲「イベリア」第3集
   「エル・アルバイシン」 「エル・ポロ」 「ラバピエス」

 F. シューベルト
  ソナタ イ長調 D. 959
  
日時:2017年 8月21日(月) 18:30開場 19:00開演
場所:東京文化会館 小ホール(JR/上野駅(公園改札) 徒歩1分他)
全席自由 3000円
主催:アンサンブル研究会
後援:一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ) 電話 03-3944-1583

<チケット取扱い>
(1)チケットぴあ社への電話で購入
Pコード入力または音声ガイダンス予約(0570-02-9999) Pコード:320-353
ぴあプレミアム会員専用(0570−02−9944) 

(2)チケットぴあ社のホームページから購入
http://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1639157
クレジットカード払い、コンビニ払いが選べます。

(3)サークルKまたはセブンイレブンに置いてあるマルチコピー機での直接購入
Pコード(320-353)もしくは「金子一朗」で検索し、手順に従ってすすんで行くと購入できます。
操作方法などの詳細はこちらにあります。
http://t.pia.jp/guide/retail.jsp

(4)東京文化会館チケットサービス 電話 03-5685-0650
リハビリ 2017年 5月14日(日) 16:13
3月31日のリサイタルでは多数の皆様にご来聴いただき、深く御礼申し上げます。

 さて、このリサイタルが終わってから体調が優れなかったが、先月は指を怪我して全治1ヶ月の診断を下され、ぎっくり腰になったりと散々であった。ピアノは最近ようやく弾ける状態になったので、今日はリハビリを兼ねて、遺作とゆっくりな部分を除く、ショパン、スクリャービン、ドビュッシーのエチュードを一通り弾いてみた。定期的にこういった刺激は必要だと思う。技術が狂ったり筋力が落ちたりするだけでなく、音楽的な認識の仕方が崩れると、こういったエチュードはすぐに弾けなくなるため、とても良いセンサーで、いわば、リトマス試験紙のようなものである。
 ピアノの技術が落ちることは加齢と共に避けられないことであるだろうが、幸いなことに、自分の場合、まだ技術が落ちたという認識をもつことがほとんどない。その落ちる速度を可能な限りゆっくりにしていくには、ピアノ技術や表現力について工夫することも大切だが、日々の食生活や睡眠など、健康を維持することも必要だろう。自分の場合、子どもの頃から虚弱体質なので、特に心がけなければいけないところである。
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