2018 03月 21日

名もなきシェフの仕事



思いつきは神のささやき
(旅するシェフの4000日)

365日の200日は閉まっている小さなレストラン
「きまぐれや」シェフ 吉田友則氏の物語

シェフ 吉田友則氏は包丁ケースのみを抱えて
空を飛び 数百キロの道をひたすら車で走る出張シェフ
20代でホテルの厨房で料理の師匠となる人と運命の出会い
「吉田君 料理以外のことを知らなきゃ、本当に美味しいものは作れないよ」
そう語る師匠の背中がカッコよかったと綴られている
苦悩しつつ己の道を模索し
引っ越し屋  長距離トラックの運転手  夜のレストランでのアルバイト
自分が生きていることを証明する作業に明け暮れたという
30代で人様のキッチンを借りて料理を作る出張シェフの道を選び
出張していない間だけ開店する「きまぐれや」

・・・ふと一人深夜の厨房で震える理由は山ほどある
「今の自分のスタンス 間違っていない?」
心の中で自問自答する日々は果てしなく続く
いくら怖くてもそれが自分自身でつくった仕事
一皿に込められた想い、料理の背景にある物語。
思いつきの神さまがささやいた ・・・・・(本書より抜粋)


美味しいものを作るシェフは本当の怖さを知りつくし
時代に流されず 流行に流されず 華やかさに彩られた料理ではなく
老若男女 食べる人に合わせて作る料理は
食べてくれる人のためにあるのだと教えられた  

最後に綴られていた吉田氏の言葉に
「考えてみれば 今の自分にとって無駄なことなどひとつもなかった
自分の身に起こったすべての出来事は最後に自分のもとに帰ってきた」
とありました

吉田氏が受け取ったものは名誉や代償ではなく
食べてくださった人々の笑顔だったり
人の心の温かさだったのだと
手にしたこの一冊に心が震えました
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