2008年8月4日 (Mon)

■[ NO. 39 ] 「伊藤多喜雄さんと」 その①...... 2005年04月16日 の日記 ......



この季節になるといつも思い出すことがあります。

あれは今から7年前のこと。ある新聞記事の募集を見て「これに出てみたい!」と思い、早速応募した
ところ運良くパスしたのでした。
それは伊藤多喜雄主催「TAKIO TOMAKOMAI FESTA 98」という音楽祭で、苫小牧出身の多喜雄さんが
当時毎年開いていました。プロを目指すミュージシャンと多喜雄さんのお友達ミュージシャン(この日は
森山良子さん、宗次郎さん、中島啓江さん、二葉百合子さん、小椋佳さんなど)が出演する1日がかりの
コンサート。会場は苫小牧市にある白鳥アリーナで、地元の方にも人気で3800人もの入場者。(その年は
市制50周年記念も兼ねていました) そんなたくさんの人の前で歌ってみたかったんだなぁ、実は。

到着後まず楽屋へ案内され、まもなく多喜雄さんが直々にあいさつにまわってみえた時は驚きましたねぇ。
だってあんなビックな方と目の前で話したんですよ。緊張をほぐすために来て下さったんでしょうが、
かえって緊張してしまいましたよ!
それから今度はジョイントして下さるミュージシャンの方の楽屋へ打ち合わせに。誰だと思います? 
これまたすごいあの「石川鷹彦」さんですよ! ありえないでしょう、普通。私たちみたいなのが
鷹彦さんとだなんて。
これは多喜雄さんの演出で、その日の出場者はゲストのミュージシャンとジョイントできるというすごい
おまけ付コンサートだったのです。いわゆるプロの演奏と意気込みを身体で感じてほしいということなの
です。さすが多喜雄さん!
私たちが演奏したのは、オリジナルで「北の街」そして「アメージンググレイス」でした。
緊張というよりは、ただただうれしくてしょうがなかったですね。あんなにたくさんの人に聴いてもらえた
わけですから。しかも鷹彦さんのギター入り! ずーっと笑顔で歌ってたような気がします。
あっという間に出番が終わり、着替えて会場の一番後ろに立って(超満席のため)最後までコンサートを
観ていたその時「サエラさんはいませんか~」と誰か私たちを呼んでいるではありませんか。
「えっ?何があったの?」訳がわからず周りを見回すと「いたいた! 早くステージへ!」と言うが早いか、
ずーっと後ろからステージまであれよあれよという間に連れて行かれてしまったのです。
                               つづく

2008-08-04 12:45 in カテゴリー1 #

■[ NO. 38 ] またまた奇跡が!...... 2005年03月30日 の日記 ......



昨日は施設コンサートでのエピソードを書きましたが、そういえばある知的障害者更生施設で
こんなこともありました。
園が夏休みに入るので、入所している方は家族と一緒にお食事会をして楽しいひと時を過ごし、
そのあとそれぞれの自宅へ帰る日のことでした。
演奏とともに手拍子や踊り手が飛び出すという、楽しく和やかな雰囲気の中、いよいよアンコールの曲に
入りました。
曲目は確か「上を向いて歩こう」だったと思います。曲が始まるや否や一人の男性がステージに
上がってきて私と手をつなぎ、いきなり踊り始めたのです。
その力の強かったことは今でもよく覚えています。
私は振り回されそうになりながら無心に踊るその人のことを「いつも音楽を聴いて踊ってる明るい人
なんだろうなぁ」と思っていました。

ところが、この男性はその施設に入所して10年以上経つのに、誰とも会話をしたこともなく、まして
ステージで踊るなどということは家族も想像できなかったそうです。彼の障害は自閉でした。
お母さんはもちろん、園の誰もがただただ驚いていました。お母さんははじめて見たそんな我が子の姿に
号泣していたそうです。
もちろんその事実を知って一番驚いたのは私たちですが・・・。

そのあと理事長さんに「音楽療法」の事を聞き、納得した記憶があります。
でも私たちは理屈じゃなく、歌いながら一緒に楽しい時間を過ごせればそれに勝るものはない! 
と思って演奏してるだけですけどね。
(一応あとで音楽療法の本を読んでみたのですが、私にはさっぱり意味がわからずちんぷんかんぷん
だったことも事実です)
それにしても音楽の持つ力とはすごい! と改めて感心するばかりです。

こんな素敵な場面に出逢えるから、やめられないんだなぁこの仕事は。つくづく皆さんに感謝します。

2008-08-04 12:44 in カテゴリー1 #

■[ NO. 37 ] その時奇跡が!...... 2005年03月29日 の日記 ......



先日、鯵ヶ沢にある高齢者福祉施設「つくし荘」にコンサートに行ってきました。
入所者とディサービスの方と一緒になって楽しい時間を過ごさせていただきました。
私たちの施設訪問コンサートは今年で10年目になります。これまでさまざまな施設にお邪魔して
きましたが、この出来事はその初めての場所での体験でした。
懐かしい歌謡曲や童謡などみんなで楽しく歌い、「今日はありがとうございました」と最後のご挨拶を
したら、ひとりのおじいちゃんが私とぜひ握手をしたいとステージへ向かって来たのです。
「あ、うれしいです。ありがとうございます!」と何も知らない私はおじいちゃんの手を握ったのですが、
先生と看護婦さんがあわてて走ってきて「○○さん!歩いてる!」と言うではありませんか。
そのおじいちゃん、実は歩けなかったようでずっと車椅子の生活をしていたらしいのです。
でも私たちの演奏をとっても気に入ってくれて、せめて握手がしたいとその一心で気づいたら私たちの
ほうに向かって歩いていた・・・のだそうです。
驚いたのは私たちのほうです。そんなことって!まるでハイジのお話のようではありませんか!
ただただ涙があふれて止まりませんでした。

こんなすごい出来事をいきなり体験し、私たちの慰問コンサートは始まったのでした。

2008-08-04 12:41 in カテゴリー1 #

■[ NO. 36 ] 気分転換はいかが? ...... 2005年03月26日 の日記 ......



前回は2月のコンサートについて書きましたが、いつものことながらコンサートの後に思うことがあります。

初めの頃はアンケートという形でお客様に書いてもらってましたが、今は好きなことを書いてもらうため
質問事項をなくしてフリースペースのみにしています。
それというのも、いろいろな質問事項の後に「ご意見・ご感想をお願いします」と少しのスペースを設けて
いたのですが、なんとここに書き込む方の多いことに気がつきました。そのスペースだけでは書き足りな
くてついには裏いっぱいに書く方まで。そんなわけで私たちのアンケート用紙は、いつの間にか自分の
思いを書くための「フリートーク用紙」のようになりました。
書いてくれる方たちは、私たちもよく知っている人、顔さえ知らない初めての人、さまざまです。
なのにいろんな個人の悩みや大切な思い出話を思いっきり吐き出すかのように書いてくれるのです。
もちろんそれを読んだからといって私たちは何の返事をするわけでもないし、何もしてあげられるわけでも
ありません。書いた本人がそれは一番承知しているはずです。
なのになぜ私たちにこんなにもたくさん書きたくなるのか・・・。 

それは「コンサート」という魔物のせいでしょう。「私たちに」と書きましたが実は相手は誰でも良いのでは
ないでしょうか。たまたま聴いた私たちのコンサートで素直な気持ちになった方たちが、これまでの
いろんな思いを吐き出してしまいたくなったのだと思います。
私たちもコンサートにお誘いする時「気分転換にどう?」ということを口にします。忙しい毎日を
過ごしている現代人には、少し非日常的な空間で気分転換が必要だと思うのです。
私たちの音楽が少しでもそういうことに役に立つのならと、今はそんな思いで演奏をしています。

先日私の友達がめずらしく電話をくれ、先月のコンサートの感想をひとしきり語った後「あなたが元気に
楽しく歌っていてくれなきゃ私たちも元気でいられないんだからね!」 と最後にガツンと一言! 
とってもうれしい言葉でした。
私たちのコンサートで「励まされました。元気をもらいました。」 と書いてくれる方がたくさんいます。
でも本当にいつも励まされ元気をもらっているのは私たちのほうです。
これからも頑張りますので、改めてサエラをよろしくお願いします。またこれまで出不精だった方も
たまには思い切ってコンサート会場へ足を運んで見ませんか。
ちなみに私は昨日「桜田まことライヴ」で気分転換させていただきました。

音楽はいいもんだ! 

2008-08-04 12:34 in カテゴリー1 #

2008年4月29日 (Tue)

■[ NO. 35 ] 痛ーい!! ...... 2005年03月18日 の日記 ......



インフルエンザや、たちの悪い風邪が猛威を振るっておりますが、皆様は大丈夫でしょうか。
異常気象だけでもかなりな打撃なのに、まったく大変な冬です。昨年であればとっくに積雪もなく、
ルンルンの春がきてるのに、今年はなかなか「春」とはいいがたいです。
薄着なんて私にはまだまだ先の話だわ・・・。

さて、2月の楽しいコンサートは最後の最後まで悪天候に見舞われました。後半の五所川原の日は吹雪、
八戸の日は最大瞬間風速32メートルを記録した日だったのです。
天はここまでわれわれを見離したのに、ありがたいことにお客様は多数おいでになって熱い夜をともに
過ごして下さいました。
ま、今年の冬はなんでも雪のせいにしようと思えばそれで済んだかもしれませんが、でも雪国育ちが
雪に打ちひしがれてる場合じゃないですよね。やっぱりコンサートをやってよかったなぁと思います。
こんな年のコンサートはたぶんお客様も忘れないでしょう。
そうそう、衣装もずいぶん人気がありましたね。めずらしく女っぽいピンクのドレスは、コサージュを
ふんだんにつけて、二人ともやさしそうに見えるように・・・。「きれい!」っていっぱい言われました。
もちろん衣装でしょうけど。
2部はガラッと変わって、はでーな柄の(これもお揃い)ジャケットに白いパンツでビシッと!
こっちは「すてき!」っていっぱい言われました。もちろん衣装にきまってますけど。
なんでも誉められればうれしいですよね。特に私なんかその気になれば木にも登っちゃうタイプですから。

そういえば私、あの日八戸で突風の被害にあいました。たまたまドアを開けて閉めようとしたそのとき、
ものすごい風にドアがバタン!としまったのです。痛ーい! そこには私の右腕が残っていて・・・。
指先だったら折れていたかも。今思い出してもぞっとします。不幸中の幸いでした。右腕には大きなあざが
ついたまま、ピンクのドレスを着てステージへ。お客様の中には気づいてる方もいました。かっこわる~。
ほんとにドジな私です。
とはいえ、なんとか真冬のコンサートを終えることができました。今回出逢えた皆様に感謝いたします。

またすでに次の企画に向ってスタートしましたので、これからのサエラの動向にご注目あれ!!

2008-04-29 10:44 in カテゴリー1 #

Page 61/68: « 57 58 59 60 61 62 63 64 65 »