朝から晴れ、高知市のウインドプロファイラを見ると、2000m上空でも10m以下で大陸の高気圧による強い北風の影響が土佐市まで届いていないことが分る。ただ午後はどこかの時間で北風が強くなることが確実なため、天気予報はすべてアゲンストを予想していたが、予報どうりになるかあまり自信が持てなかった。
10時頃、速く上がることが多いクラブ員に電話をかけると、2人9時半河原集合でもうすぐTOに着くとのこと。10時過ぎ、TOの風は南南西2~3mのアゲンストで、リッジがかかりそうなので準備して飛んでみるとのことだった。コンディションは、サーマルの育ち始めのようなブクブクとしたリフトだったらしく、10分ほどで清滝LDに降ろされた。 その後、急にアゲンストが強くなり始めたとのこと。 私がTOに上がった頃の12時20分頃には、正面から南西の風5~10m吹いており、常に北の木がシャーシャーと音を出し、5~10分間隔で8~10m位の強い風も抜けていた。テイクオフした5人は、風にほんろうされタコ踊りを余儀なくされたらしい。
TOの風
10時半頃~11時半頃 晴れ 正面~南西 1~4m バブルリフト
11時半頃~1時頃 晴れ 南西中心の正面5~10m 強風だが安定ソアリング
1時頃~2時頃 晴れ 南西中心に南東・西南西 1~5m
飛んでいる空域は南西の強風気味だが、TO風速・風力は弱くなり激変
2時頃~3時頃 晴れのち曇り 南西に西や北西のホロが混じる ー2m~4m
2人ソアリング中だったが、リーサイドの弱い下降流で330mまで1回下げられる
ソアリング可能な時間帯・・・10時半頃~3時頃 約3~4時間 危険はいっぱい
高度・・・500m~800m位だっただろうか?
高度が上がれば上がるほど、南西の風が更に強くなる。 グライダーの性能と荷重
状況にによるが、風に正対すると対地10キロ以下も時間帯によっては良くあった。
フライヤー・・・8人(クラブ員のみ)
到着時間が遅かったことなどもあり、2人フライトを自粛する。
アクシデント・・・なかったように思う。
写真は、12:31のTOの様子とソアリングの様子。
南西に向けたグライダーは、ほとんど止まっており、アクセルを50%以上踏むと進んでいた。初級機で稜線近くから出てくるのに、かなり時間のかかっていたグライダーがあったらしく、心配していたフライヤーもいた。風の強い時は、少なくとも稜線から200m以上アゲンスト側で飛ぶようにした方がいい。 稜線近くをいつも感覚で飛んでいて、バックし始めた時はすでに手遅れで、高度が低い場合バックしながら途中でローターにつかまり、タコ踊りした後一瞬でグライダーがなくなり山沈する。その後他人に重大な迷惑をかけ、死ぬかケガをするかは、運次第。 そんな危険性を侵してはいけない。
【危険性の高い風で飛ぶときは、恐怖を感じる前に見極めが重要。 危険な風の見極めができない人や危険な状態に陥った時に安全に回避フライトができる自信のない人は、安全空域に移動して飛ぶか、それでも不安ならランディングした方が良い。
無知・傲慢・技術不足が、重大事故の3大原因です。
(無知・・・知らなかった 傲慢・・・僕は大丈夫 技術不足・・・僕は上手)
この3大原因がそろった人は、速かれ遅かれ、必ず病院に行くことになります。完治して退院できるか、後遺症が残るのか、死ぬのかは、誰にも分りません。
私は、風を読む能力とグライダーコントロール技術を向上させることで、無知と傲慢さを制御してきたつもりです。これからもその方向で慎重にフライトし、さらなる技術の向上を目指すつもりです。
絶対に病院に行くようなケガはしない! してはいけない!
仕事ができなくなり、生活が壊れる。 】