隣の班長が言うんです。
前に居た職場の人に連れられて、浜名湖で何度かクロダイ釣りに行ったんだけど、一度も釣れなかったんです。
どうやら、大物狙いのポイントだったらしく、素人には難しいポイントだったらしい。
連れて行くんなら、釣らせてあげることを考えようよ。
とは言っても、そうそう簡単に釣れない魚であることも事実なんですが・・・。
浜名湖でやってたのとは釣り方が違うのでってことを説明し、それでも行きたいって言うんで夏休み中に2回釣ったポイントへご案内。
磯歩きは初めてらしいんで、荷物はリュックにコンパクトにまとめてもらい、竿も俺のロッドケースに入れて手ぶらで歩いてもらう。
暗い磯をゆっくり歩いて、予定通りに明るくなる前に釣り場へ到着。
道具を準備して、班長のロッドから組み立てる。
うっすら明るくなってきた磯で、一通り釣り方をレクチャー。
潮の流れを確認して、あの辺りに仕掛けを投げ込んでみてくださいと指示をして釣り開始。
じゃ、自分のロッドを・・・と思ったら1投目からヒット。
ちびマダイでした。
ハリを外してリリース。
俺のロッドはウキまでセットして、あとはハリスを付けるだけの状態で持ち込んでたんだけど、竿を出す前に2匹目のマダイ、エゾメバルを3投連続ヒット。
俺は、いつになったら始められるのか?
横目で仕掛けを打ち込むのを見ながら、タイミングを合わせて隣からコマセを投げ込む。
初めての磯で、自分でコマセは打てないだろうと俺が多めにコマセを持ち込んで、コマセを打ちましょうって作戦なんです。
ようやく1投目の仕掛けを打ち込むと、隣では早くも4匹目の魚を釣り上げる班長。
今度はメバル。めっちゃ楽しそう。
俺は、1投目からラグビー。
あれ? ウキ下深いのか?
ちょっとウキ下を調整すると、班長が釣ったのより少し大きいマダイ。
なんか活性高いっすなぁ。これは期待できるかも。
心中では思いながらも、風もあるし初心者には難しい潮なんじゃないかと不安はある。
予報では風は弱いはずだったんだけど、正面からの風が強くなり、仕掛けが磯際に押し付けられる感じ。
磯際で弾けた波が時折足に当たる。
潮自体は左から右。
班長はペースは落ちたモノの、ちびメバルをちょいちょい釣り続けてる。
俺の方にはフグも出てきてる。ハリを何本か持ってかれた。
満潮が近づいて潮が早くなる中、俺のウキに微妙な反応が出始める。
班長ごめん。 俺、マジモード入ります。
釣り座の右にある岩の張り出しを根掛かりさせないように慎重の乗り越えさせて流すと、ウキが沈む。
何度目かの流し込みでウキが明確に沈む。早合わせしたら乗らなかったんで、タイミングを慎重に見極めて、アワセるといい感触。
張り出しの向こう側で掛けてるんで、釣り座を移動して磯際から引きはがして張り出しを回しこんで手前サイドへ誘導。
そのまま釣り座に戻り、タモを手に取る。
33㎝のクロダイ。 今季最大。
って、偉そうに言うサイズじゃないな。
憧れのクロダイを前にして、自分が釣ったんじゃないかってほど班長興奮。
手に持って、写真撮ってたし。
その後、風は治まって静かな磯になる。
釣りやすくはなったけど、釣れる気もしなくなってた。
コマセに群がるサヨリを釣る班長。
五目達成。
一旦緩んだ潮がまた早く流れ始める中、俺のウキに異変。
いきなり横っ走り。
またイナダか? と思ったらウキの先から飛び跳ねる魚。
なんじゃ、あれは?
リールを巻きながら見てたら、跳ねた魚を追ってウキが舞い上がる。
そこそこ引くんだよね。
足元まで寄せると磯際を右へ左へ泳ぎまくる。
40㎝近くあったでしょうか。
俺史上初のシイラ。
もちろん子供ですが、こんなの初めて釣った。
夏泊半島の先端では、ルアーで釣れるって話は知ってたんですが、まさか釣れるとはね。
夕方には職場の歓迎会も予定されてるし、コマセも無くなりそうだったので俺は予定の時間で納竿。
あとは班長を全面バックアップ。
コマセが無くなってもやめようとしないので、10時になったら帰りましょうと時間指定。
残りの時間をめいっぱい使い切ったけど、残念ながら本命には出会えず終了。
帰りの磯歩き。
班長は何度も、おもしれー、たのしかったーを繰り返してた。
次はいつ行けるか、その時期ならここじゃないなど、次回釣行にも意欲的。
何とか、釣らせてあげたいな。