2006年2月25日 (Sat)

change one's expression.



さて、前回まではちょっとマジメな内容だったので、今回はカスタムについて。

CWCの昨年のアニバーサリーイベントに参加のオファーがあったあたりから、何度かジュンコ・ウォングさんと会う事になりました。
それ以前はCWCのイベントにはノータッチだったんですね。理由としては、CWCのイベントが催される日は、それに参加した方々が(当時の職場である)吉祥寺店に流れて来るので、店にいなければヤバかった事がひとつ。
すでにカスタムのオーダーが殺到していて、これ以上忙しくなる必要もないという理由もありました。

昨年の春、パルコが開店した直後にウィンドウを見ている女性がいました。
見たこと様な・・・。と思ったんだけど、荷物も届いていたのでそのまま作業していたら、その女性から「ウォングと申します・・・。」と声をかけられました。
そして、アニバのオファーの話になったんですね。

CWCオフィスで「どうしてカスタムをするようになったんですか?」と聞かれ、「吉祥寺店に赴任した時点でコージーとゴールドの(当時は)売れ残った在庫が膨大にあったからです。半額にしても売れなかった・・・。」と答えました。
それから「ブライスを連続で買っている方達も冷静に考えれば、髪の色や長さとメイクが違うだけの人形を買い続けるのはナゼだろうと思うんじゃないかと思ったんです。もっと違う楽しみ方や方向性もあっていいんじゃないかと・・・。」
今考えれば、ライセンスのオーナーに対してけっこう失礼な返事ですよね。
でも、本当にそうだったから素直に答えました。

さて、最近も変化し続けている@naiのカスタムですが、これは常に新しい事を考えているってワケじゃないんですよ。本音を言えば「同じ事をやってると飽きるから」
要は毎度新しいイタズラを考えながら作業しているんですね。
それで、その「イタズラ」をお客さんが面白がったり、喜んでくれればOKなんです。そしてそれにも飽きる。また何か思いつくの連鎖です。

ブライスの表情を変える場合、実際はリアルな人間の顔ではないだけにクチのラインだけを笑顔にしても、正面から見た時のみのアニメ的な笑顔になります。
フォトBBSなどに貼る画像はいろんな角度から写されるワケだし、実際に手に取って見た時にも「ま、こんなもんかな?」程度にしかならない気がしました。
三次元的なリアルな笑顔にするには、どうしたらいいか?
握りつぶしたくなる様な(笑)かわいい笑顔を造形するには、どんな作業が必要なのかと考え、外国人の子供の表情を参考にしました。
海外の(とりあえずBlytheってくらいなので外人だし)子供服の雑誌を買いまくり、気に入った笑顔の写真を研究し、最初は慎重に少しずつ削って何度も確認しながらの作業。

そのうちにサンプルを見なくてもホイホイ作れるようになっちゃいました。
次は何やろうかなぁ〜、とりあえず二重にしよう。とか、飴玉くわえさせちゃおう。とか、いろいろ広がるワケですね。
で、次は??それはまだナイショ・・・。
続く・・・。

2006-02-25 23:07 in @nai's #

2006年2月20日 (Mon)

Very sorry.



ちょっと旅に出てのんびり(!?)したと思ったら、帰ったとたんに(今まで以上の)怒濤のお仕事だったので、インターバルがあいてしまいました。
前回まではヴィンテージのお話だったので、今回は以前ちょっと触れたウェブ上での人間関係について思う事。

リアルな世界ではあなたの周囲にはいろんなヒトがいるでしょう。
産まれた時からあなたを迎えてくれた家族、友人、仲間。けれどもそれは絶対的なものではありません。あなたがみんなの働きかけに応え、彼らにとって大事な存在であるからこそ、周囲に誰かがいるんですね。
もしもあなたが一切、他人の事情や心情をかえりみずに、勝手な事ばかりしていたらあっという間に一人になってしまうでしょう。
その時あなたは人に嫌われたと思うかもしれない。でもそれは元に戻っただけ、つまりは究極的には誰もが一人であるワケです。これはインターネット上でも同じ。
人と人との関係は、絶えざる働きかけによって成り立っている。

逆に言えば働きかけを放棄したり、働きかける価値がないと判断されれば、その関係はすぐに消えてしまうでしょう。
もちろん皆さんは損得勘定で人とつきあっているワケじゃないと言うでしょう。オレもそうだと思います。
あなたの善意と友情を信じる。また、その善意が一方的なものでなく相手の状況を慮った周到なものであると信じてもいいです。しかし同時にあなたにとって自分の善意なり友情なりが心地よい事、その友人に対して報われないかもしれない善意を施す自分を気に入っている、満足している、あるいは義務を果たしているという納得もあるんじゃないでしょうか?

自分を自分で気に入りたい。自分はそこそこの存在だと肯定したい。それは当たり前の事ですね。自己否定を重ねて行けば、辛くて生きていけなくなります。
誤解してもらっては困るんですが、オレは自分の満足に起因しているからといって、その善意や友情を否定してるんじゃないです。むしろ逆。
自分がいい人だと思いたいという感情が無くなれば、世の中は殺伐としちゃいますしね。
オレが言いたいのはその善意や友情は必ずなんらかの対価、自分の満足なり自己肯定の心地よさなりを相手から受け取っているという事です。
その対価のためにこそ、あなたはかくも美しい行為するのかもしれない。でもそれが不純だという事じゃありませんよ。
あらゆる行為や出来事には、複雑な事情や文脈、目的、思惑、計算が絡み合っている。だから面白い。それを単純に「いい人、悪い人」とだけの分類では区別できないと思います。

特に日本人には意図さえ、動機さえ善良ならばすべてが許されるという雰囲気が蔓延している。「悪気はないんだから」とか「本当にあなたの事を考えてした事だから」といえばなんとなく許されてしまう。つまりは誰もが「いいひと」であろうとしているワケです。
「いいひと」ならば全てが許される。「いいひと」ならば責任が問われない。
要は「いいひと」は楽であり、快適であり、何より生きて行くうえで便利で得なんですね。
しかし、この「いいひと」は、かなりグロテスクな存在だとも言えます。
「いいひと」であれば人を傷つけ、困惑させ、欺いて、迷惑をかけても許されると思っている。そしてこの「いいひと」の一方的な善意と親切が最も猛威を振るうのが友人関係かもしれません。
直接的な関係もですが、インターネット上ではそんな迷惑な「いいひと」に気づくのが遅れがちです。

本来の純粋で素直な「いいひと」は子供の頃にしか存在出来ないのかもしれません。
それだけ大人の世界は無造作では歩いて行けない、経験や計算が必要なものなんですね。楽器の演奏やお茶の作法、絵を描く事やブライスのカスタムにいたるまで、流れる様な自然な動きや技術は訓練や経験を重ねていく事によってしか成り立たない。
人間関係も同様じゃないかな?

今の時点での自分の能力で解決出来ないのなら、もっと考え、意識的に経験を元に成長しなければ、幼稚な関係でしか維持出来ないという事ですね。
続く・・・。




2006-02-20 01:11 in @nai's #

2006年2月9日 (Thu)

Image2



*これが中身です〜。スプリングもレプより細い。
*腰パーツはしっかり握って抜きましょう。(レプはこれじゃ外れません)
*表面のキズを消してメイクして半光沢のコーティングをして本来の艶になるように金属用コンパウンドで丁寧に磨きます。完成〜。


2006-02-09 01:42 in @nai's #

Image



さて、ヴィンの分解工程の画像を撮りましたんで、今回はおさらいね。

*頭皮をめくります。
*ここの皿を固定する突起があります。そこに張り付いてる髪も丁寧に取りましょう。
*マイナスドライバーの大きいものを片側に突っ込み、突起から外します。
後ろ側を外したなら、前へ押して外す。
*ネジは4本。頭皮の中に2カ所かくれてます。
2006-02-09 01:36 in @nai's #

2006年2月4日 (Sat)

Vintage2.



昨日は突然の発熱と吐き気でダウンしちゃってパスしちゃいました。
風邪?と思ったけど、どうも過労っぽいです。こんなの10年ぶりくらいかな?
早退&たっぷり寝て、けっこう復活したので続きを・・・。

前回は頭部の分解の過程までだったので、その次です。
ヴィンテージの頭部の部品構成は基本的にレプリカと同じなんですが、全てのパーツが微妙に違ってるので、互換性はありません。
たとえば、レプで使用されているネジ(+)は3個全部同じサイズですが、ヴィンは頭部固定のネジ4個は同じ(しかも+ー)で、アイチェンジのストッパーになっているパーツのネジだけ短いんですね。なので、組み立ての際に間違えないように。

コンタクトが白濁している場合がありますが、これは修正出来ないと考えた方がいいでしょう。
しかもそのコンタクトを眼球から外す場合も、レプと同様の方法では不可能です。
30年以上の年月によって、コンタクトを固定するための接着剤が眼球とコンタクトを一体化させてしまっている様です。
なので、白濁したコンタクトを諦めてスペリオールのコンタクトに交換する際、ヴィンのコンタクトを外すには慎重な作業が必要になります。無理矢理にコンタクトだけを外そうとすると、眼球の一部までコンタクトと一緒に持って行かれてしまう場合がありますからね。
@naiの場合、白濁したヴィンのコンタクトの黒目部分の外周に2〜3カ所、ピンバイスで2mm程度の穴を空けて、それをニッパで砕いて取り除きます。眼球に接合している部分が癒着している場合は電動ルーターで慎重にコンタクトだけを削り取ります。(もちろん自分のウデに自信の無い方はやらない方がいいでしょう。)

ヴィンとスペリオールのコンタクトは厳密には少し違う部分もあるんですね。当時のと現在の造形技術の差によるものだと思われます。注意して見ると、ヴィンのコンタクトの光彩部分の外周の2カ所に溝があるんですよ。
それから4色の色ですが、レプとはピンクが特に違っています。若干赤い感じですね。
レプのコンタクトを代用する場合はクリヤーレッドを軽く塗るといいかもしれません。(もちろんエアブラシで。)
てなところで次回に続く・・・。

2006-02-04 18:24 in @nai's #

Vintage.



で、ヴィンテージのレストア(修復)ですね。
その前に、修復するかしないかって事を決定する事が大前提。
また、修復するとしてもどこまでやるか。頭部の解体の有無も決めておかないといけません。
誰もが完璧な状態に近づく事を良しとしているとは限らないからですね。
オリジナルの状態に少々問題があっても、原状を大事にしたい場合はそれもアリです。また、次に迎えたヴィンがあった場合、二つを比較して片方を手放す場合にも買い手側のこだわりが自分と同じとは限りません。
その場合に修復した事が相手にとってはリスクになる事もありますのでしっかり考えた方がいいでしょう。
それを踏まえた上でのレストアです。

まず、頭部解体。
頭皮を接着している(はみ出した)接着剤はほとんどの場合そのチカラが無くなっているので、後頭部あたりの髪を鷲掴みにしてゆっくりと開いてみましょう。
この際、1割程度のヴィンに見られる状態なんですが、接着剤が最下段の髪も一緒に接着している事があります。だとしたらちょっと厄介です。(この場合の対処法はそのうち・・・。)ともかく、頭頂部までめくります。
すると、トップに皿から突き出している顔の前後パーツが見えます。形状としては前後で矢印みたいになってます。これがお皿に開いた貯金箱みたいな穴に入って固定されてます。(これって画像あった方がいいよね。今無いのでそのうちに・・・)

この矢印を皿の穴から外すには・・・。
見たまま考えると頂点になっている部分をペンチ等でつまんで皿から取り外すように考えがちなんですが、実際にはそれでは分離しません。
矢印の根元部分に大きめのマイナスドライバーを差し込み、テコの原理で前後のどちらかから抜き取ります。これだと意外に簡単。
「皿」には一般的に背中の刻印の「6桁」とか「7桁」と呼ばれる生産時期によって材質も色も違っています。保存状態によってはかなりモロくなってる事もありますから、慎重に。

ヴィンテージはレプと違い、頭皮の内側にも2カ所ネジがあります。
この状態はスペリオールの頭部が固定(一体パーツである)されているのと同様に、後頭部に見える2カ所のネジを外しただけではボディーが分離出来ません。
無理矢理なら見える2カ所でも可能なんですが、なにしろ30年以上の時間が経過しているので、最悪顔のパーツが割れてしまうかもしれません。

おぉ〜、最初の段階だけなのにけっこう文字だと必要なんだね。
でも、今日はここまで。続く・・・。
画像には深い意味はありません。


2006-02-04 02:11 in @nai's #

2006年2月1日 (Wed)

Revival.



復活しました。
なんだか疲れが溜まってたのか、姿勢が悪いのか、単純に寝違えたのかわからないけど、突然引っ越しでもして重い本の山を運びまくった翌日みたいに背中が筋肉痛っぽくなっちゃってました。
温泉でも行けよって感じだけど、連休ないのよ〜。

さて、今回はヴィンテージのお話。
言わずと知れたこの「ヴィン」と呼ばれるヒトは1972年にアメリカのKenner社から発売され、たった1年間の販売で絶版になっちゃったという逸話があるんだよね。
当時は香港で作られてアメリカを中心としてカナダやイギリス、オーストラリアにも流れていたようです。
日本では当時TOMYが提携したようで、アメリカナイズされたBlytheというネーミングの馴染まなさと、付属のOFも「??」なセンスだったためかパッケージと衣装と名前を変えて「魔法の瞳 アイアイちゃん」とかなんとか改名されて同時期に発売されたそうな。これも今ではパッケージと衣装が無ければ同じ「ヴィン」という事です。

で、当時のKenner社ってのはそんなに上手い会社ではなかったんですね。プラモデルも出してたけど、他社に比べてダメな感じでした。
1979年公開・リドリー・スコット監督の「ALIEN」のライセンスを取り、発売した直後に倒産しちゃいました。
ではこのヴィンテージ・ブライスも出来が悪いのか?
植毛のクォリティは初期レプより良いけど、植えられてるラインの幅はけっこう広めだから、現在のスペリオールとは比較にならない大味な感じ。
頭皮の固定のための通称「皿」と言われるパーツ構成は、髪の分け目を固定する意味では正しいけど、接着剤は長年で溶け出す性質があるようでもれなくはみ出してますね。
レプでも同じだけどアイチェンジの内部構造は、当時のおもちゃとしては珍しかったでしょう。基本的には拳銃(リボルバー)のハンマーとトリガーの構造を使ってます。ま、マシンガンもミシン(レミントン社)の構造が基本だから、アメリカの伝統的に強いジャンルだったのかもしれません。
何にせよ、ヴィンに使用されているほとんどの素材は「PL法」に触れるため現在では使えないみたいです。

この「ヴィン」。オークションでしか手に入れられない事もあって、それなりに高価です。「レプリカとは値段も歴史も違うのよ♪」と、オフ会やBBS画像ではそれなりの破壊力を発揮したりします。
でもいったいどこがレプと違うのか?詳細に把握している方はほとんどいません。
それは「完璧なヴィンテージ」にお目にかかった人がほぼいないから、そこを基準に比較出来ないので「それなりのヴィンテージ」の範囲での「状態の善し悪し」に終始しているワケですね。
もちろん見てわかる退色や、腰割れ、首折れ、髪の状態、メルトマーク、コンタクトの白濁の有無、髪のプラグ抜け、オリジナルのメイクの保存状態、付属品の有無などはそれなりの数を注意深く見た事がある人だったらチェック出来ます。
海外からにせよ、国内にせよ、売り手サイドがどれだけ詳細にデータを出してくれるか、理解してるかも購入の際のチェックポイントですね。

今まで@naiがレストア(修正)してきたヴィンテージはたぶん500体を越えてると思います。確かに高額な人形なんですが、作業的にはレプのカスタムより(@naiにとっては)遥かに楽なんですね。辿り着くラインがわかりやすい。
オーナーがどの程度のヴィンにレストアしたいかを確認出来ればサクサク作業出来ちゃいます。ま、髪の状態とのバランスとかもあるけどね。
てな事で、次回はヴィンのレストアについて。
続く・・・・。



2006-02-01 17:07 in @nai's #